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南野拓実、覚悟のPK弾「何かを示して帰らないと、こっちの居場所もない」

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決勝点を決めたMF南野拓実

[11.13 国際親善試合 日本1-0パナマ グラーツ]

 3-6-1の1トップとして仕事を果たした。日本代表MF南野拓実(リバプール)は後半16分にPKで決勝点。ゴール中央に蹴ったボールはGKの身体の下を抜け、ゴールネットを揺らした。

「ふかさないようにという意識で蹴った。ジャストミートはしなかったけど、ゴールになってよかった」。一瞬、ヒヤリとさせられたが、貴重な先制点をマークし、後半27分にベンチへ下がった。

 4-2-3-1ではトップ下を主戦場とする南野だが、森保一監督の代名詞ともいえる3-6-1のシステムで任されたのは1トップだった。2シャドーに入ったのは東京五輪世代のMF久保建英とMF三好康児。「時間が経つにつれて僕とタケ(久保)と(三好)康児の距離感も良くなっていった」と手応えも口にした。

 前半はチームとしてなかなか連動性が生まれず、チャンスも限られていたが、後半開始からMF遠藤航が入って攻守にリズムが変わった。南野も「(遠藤)航くんが相手のボールを奪ってしっかりつなぐ部分もそうだし、ビルドアップで前を向いてボールを付けてくれて、頼もしいプレーをしてくれた」とその存在感に賛辞を送る。

 PK獲得のシーンも遠藤からパスを受けた久保のスルーパスに南野が反応し、PA内でGKに倒された。「シャドーの選手が前向きにボールを受けたときに斜めに動き出すというのはずっと意識していた。自分が思い描いていた形がPKになってゴールにつながってよかった」と胸を張った。

「粘り強くボールを動かすことが、3バックでプレーするときは重要なのかなと思う。今日みたいに狙いを持ってやり続けることができれば、後半はいい形も増えたと思う」。久保とのコンビネーションについて聞かれた南野は「タケ(久保)は前を向けるし、それが今日もチャンスにつながっていた。自分としてはやりやすい」と答えながら、初めて一緒にプレーした三好にも言及した。

「(三好)康児も相当、質の高い選手。自分もあそこ(シャドー)でプレーするし、質が高いなと感じた。(鎌田)大地もいるし、このチームの競争は高いレベルだなと。タケだけではないなと思う」。自分と交代で入ったMF鎌田大地も好プレーを披露。森保ジャパン最多得点者の南野だが、危機感もある。

「(点を)取らないより取るほうがいいし、チーム(リバプール)で試合に出ていない分、ここで何かを示して帰らないと、こっち(代表)の居場所もないと思っている。引き続きやっていきたい」。日本の10番は表情を引き締め、17日のメキシコ戦を見据えた。

(取材・文 西山紘平)

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