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試行錯誤しながらの勝利、麻也「今は自分たちの選択肢を広げている段階」

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DF吉田麻也が試合を振り返る

[11.13 国際親善試合 日本1-0パナマ グラーツ]

 完成形を目指して模索を続ける日本代表は、パナマ代表との親善試合を1-0で勝利。主将のDF吉田麻也(サンプドリア)が試合を振り返る。

 日本は4-2-3-1ではなく、キックオフから3-4-2-1のシステムを採用。また、DF板倉滉(フローニンゲン)やMF橋本拳人(ロストフ)、MF久保建英(ビジャレアル)とMF三好康児(アントワープ)といった選手たちが先発起用された。後半からは橋本に代えてMF遠藤航(シュツットガルト)を投入。遠藤を起点とした攻撃から久保のパスを受けたMF南野拓実(リバプール)がPK奪取から決勝点を決めた。

 選手や布陣をテストしつつ進める日本。キャプテン麻也は試合序盤について「感覚的には最初はスムーズに行っていないなっていう感覚はありました」とぎこちなさを認める。「相手も守備のオーガナイズは良くてポジショニングも良かったので、短いパスもなかなか前に付けられなかった」。一方で、ロングパスやサイドチェンジも相手にケアされていたことで攻撃は停滞。「もうちょっとボールのリズムを変えたり、たとえばボランチが1枚落ちてきて、ビルドアップのときだけ4バックになってとか、そういう変化をもう少し加えられたら良かったのかもしれない」と分析した。

 しかし、勝利までの道筋は狙い通りでもあった。「前半、おそらく相手も動いてオーガナイズをしっかりしてくるけど、後半落ちるだろうなと思っていたので。そこを突けたのと、しっかり守ってカウンターから一発っていうのを狙っていた」と試合全体の流れを読み、白星を手にしてみせた。

 後半は遠藤投入で流れを引き寄せた。ドイツで存在感を放つ遠藤は、守備面ではボール奪取に努め、攻撃面では前線へのパスで局面を変える。麻也は「後ろと前線がよりリンクしたかなと」と流れの変化を語る。「航もドイツに行って、そういうところが非常にレベルアップしていますし、もちろん自分の良さであるボール奪取のところも今日もよく見せてくれたんではないかなとは個人的には感じています」。ただ、個人の力ではなく「航が良かった、(橋本)拳人が良くなかったっていうことではなくて、そういう変化をチームが加えて、よりスムーズにゲーム運びをするようになったっていうところかなと思います」と強調した。

 より盤石な、これまで通りの戦い方もあったのかもしれない。しかし、麻也は現状での試行錯誤に理解を示す。「メンバーを多少入れ替えて違う形でやって、いきなり最初からうまくいくとは思っていないですし、もちろん今日最初から4バックでやっていればもっとスムーズだったっていう意見もあると思いますけど。僕らは今それをあえてトライして自分たちの選択肢を広げている段階なので、悲観することはないんじゃないかなとは思います」とこれからの成長に向けた布石だと説いた。

(取材・文 石川祐介)

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