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関東一が日大豊山を破り選手権出場決定! 3年ぶりの全国挑戦まで「都代表として胸を張れるチームに」

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関東一MF類家暁(3年)が先制点を決めた

 第99回全国高校サッカー選手権の東京都大会は14日、駒沢陸上競技場でA、B両ブロックの決勝戦を行った。Aブロック決勝は、関東一高が3-0で日大豊山高を破り、3年ぶりの全国大会出場を決めた。

 試合の立ち上がりは、中盤で激しくボールを奪い合い、ともに前線では素早い連係でゴールに迫った。初の決勝進出を果たした日大豊山は、前半2分に左FW今泉翔(2年)がエンドライン際で1対1を突破し、ラストパスをMF伊藤和輝(3年)が狙った。1分後、今度は関東一が左サイドのスローインを受けたMF類家暁(3年)のポストプレーからFW笠井佳祐(3年)がシュート。次のチャンスは、日大豊山。右DF清宮佑斗(3年)のスローインから右FW高柳康太(3年)がクロスを送り、FW山本爽太(2年)が頭でゴールを狙った。対する関東一は、前半9分に相手のミスを突いてボールを奪い、FW宇山輝(3年)がシュート。目まぐるしい攻防となった。

 しかし、前半10分が過ぎると、地力で上回る関東一が中盤で優位に立ち、次第に主導権を握るようになった。そして同13分、浮き球の縦パスを宇山が競って前にこぼれたボールに反応した類家がゴールへ突き刺して先制。さらに16分、笠井のチェイスで相手がこぼしたボールを右MF北村磨央(3年)、ボランチのMF肥田野蓮治(2年)が立て続けに狙ったこぼれ球を笠井がたたき込んで追加点。関東一の勢いは止まらず、34分にも左DF弓氣田葵(3年)の縦パスで左に抜け出した宇山の低いクロスに笠井が飛び込んで3点目を決めた。

 類家と笠井は、ともに全5試合で得点。決勝の舞台でもチームをけん引し、あっという間に大量リードを奪った。日大豊山は、伊藤を経由して両ワイドのスピードを生かしたカウンターで反撃。前半終了間際に今泉の突破からつないで高柳がシュートを放ったが、ゴールの枠を捉えられなかった。

 関東一は、小野貴裕監督が「無理にギアを上げなくて良くなったので、後半はスコアよりもゲーム展開を重視し、最初の20分で失点しないことと、できるだけ攻める姿勢を見せて、相手の意欲を失わせないということを狙った」と話したとおり、後半8分に笠井がポスト直撃のシュートを放つなど、後半も怖さを見せながら時間を進めることに成功。日大豊山は、同15分に小型ドリブラーのFW藁谷陸斗(1年)を左サイドに投入し、唯一の突破口となるサイド攻撃を強化。21分、藁谷の仕掛けから左DFに移った高柳へボールが渡り、クロスから途中出場のFW保田航希(2年)がヘディングシュートを放つなど、諦めずにゴールへ迫った。選手交代で試合のクローズを図る関東一に対し、25分にはFKのパワープレー、26分に右からのクロスに高柳のヘディングシュート、36分に右CKから保田のヘディングシュートと反撃を続けたが、シュートの質が足りず、最後まで得点は奪えなかった。

 敗れた日大豊山の海老根航監督は「前半の終盤から後半にかけては、少しずつリズムよくボールを動かしたり、サイドを生かしたりと良さが出せるようになったが、連続失点がもったいなかった。格上との戦いで最も避けなければいけないこと。後半は、相手が3点差で攻撃のペースが緩んだ部分もあって対応できるようになったが、前半からできていれば面白かったかなと思う。攻守においてゴール前の精度の部分で相手との違いを感じました」と悔しそうに試合を振り返った。

 関東一は、3年ぶりの全国大会。小野監督は「まだ(全国大会の)相手が決まっていないので、先を見据えることできませんが、例年に比べると、どのチームも(コロナ禍で活動が制限され)課題を抱えている。残りの期間でもっと力を付け、東京都代表として胸を張れるチームにして臨みたい」と出場切符をつかんだ全国の舞台に向けた意気込みを語った。全国大会の組み合わせ抽選会は、16日にオンライン形式で行われる。

(取材・文 平野貴也)
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