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[MOM3302]帝京大可児MF渡邉眞士(3年)_強い気持ちで蹴った80分+3の決勝点

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決勝点を決めたMF渡邉眞士がガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.14 高校選手権岐阜県予選決勝 帝京大可児1-0岐阜工 長良川競技場]

 無我夢中で蹴り込んだ。延長戦に突入するかと思われた後半アディショナルタイム3分、帝京大可児高は左サイドをFW大森涼(3年)が突破。ゴール前で混戦を作るクロスを入れると、FW蒲泰我(3年)の落としがMF渡邉眞士(3年)の前にこぼれる。

「とりあえず決めるぞという強い気持ちで振り抜きました」

 直後に再開されたところで試合終了の笛が鳴る。2年連続となる岐阜県王者の称号は、劇的な決勝点によってもたらされた。

 3回戦から登場の帝京大可児は、初戦の武義戦を17-0で快勝。続く斐太戦も13-0、準々決勝の関商工戦を5-0、そして準決勝の県岐阜商戦を8-0と危なげなく勝ち上がってきた。

 しかし渡邉は勝ち上がりに不満を持っていたという。初戦で2得点、2戦目で3得点を決めていたが、準々決勝、準決勝と得点を奪えていなかったからだ。

 試合後の場内インタビューでも無念があったことを語っていた渡邉。「決めてやろうという強い気持ちで臨んでいました」。その悔しい思いもすべてを、後半アディショナルタイム3分の左足に乗せた。

 青森山田に静岡学園。近年、全国で結果を残す中高一貫での強化を進めている。帝京大可児もそのひとつで、渡邉も中学校から在籍する一人。今季のスタメンには5人が並んでいる。効果についても実感しており、「みんな家族みたいで居心地がいい」と明かす。

 だからこそ結果を残したい思いも強い。中学時代は全国中学校大会に出場したが、準優勝した鹿児島育英館中(鹿児島)に1回戦負け。有力校として出場した昨年度の高校選手権も1回戦で大手前高松(香川)に苦杯をなめるなど、全国レベルではまだ通用していない。

 目先の目標は同校最高成績であるベスト16(17年度)の更新。そして最大目標はもちろん、全国制覇だ。「1日でも長くみんなでサッカーをやろうと言っています」。俺たちも6年間の集大成。歴史に新たな1ページを刻む準備は整っている。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2020

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