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「彼無しにはこのチームは成り立たない」。市立船橋の大黒柱・DF石田侑資は自信を持って戦い、流経完封

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市立船橋高にとって欠かせない存在、DF石田侑資主将は完封勝利に大きく貢献

[11.15 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 0-1(延長)市立船橋高 フクアリ]

 市立船橋高の波多秀吾監督はキャプテンマークを巻く背番号5について、「彼無しにはこのチームは成り立たない」と絶対的な信頼を置く。この決勝もDF石田侑資主将(3年)はチームを鼓舞し、魂の守り。宿敵・流通経済大柏高撃破の立て役者となった。

 相手のロングボール、クロスを幾度も弾き返し、出足速く相手の攻撃を潰し続けた。相手が背後を狙って来ても絶対に譲らずマイボールに。責任感強い主将は後半23分、相手エースのFW森山一斗(3年)との1対1を止めると雄叫びを上げた。

 “自分が折られれば、チームも負ける”というくらいの守備と気迫。ヒーローの座は決勝点のMF岩田夏澄(3年)に譲ったが、延長戦を含む100分間見せた石田のプレーは際立つモノだった。

 石田はこの日、チームがやって来たこと、狙っていたことを表現できたと感じている。「自分的には負ける気がしなくて、本当にこのままやり続けたらPKでも何でも勝てるなという自信があった。そういうのが思いに繋がったので、それは全国に持っていきたい」。要所を封じ続けた石田だが、自分一人でチームを勝たせた訳ではない。仲間たちを信頼し、全員でやるべきことをやり通して勝ち取った全国切符だった。

 この日は流経大柏のMF藤井海和主将(3年)も凄まじい迫力の守備を見せていた。身体を投げ出すように相手をストップ。危険を察知してスプリントし、市立船橋の攻撃を何度も阻んでいた。

 石田は「お互い千葉の強豪校のキャプテン同士ということで負けたくないという気持ちは持っていた」という。ともに背中でチームを引っ張り、勝利のために戦い抜いた100分間。試合後は「勝てて良かった」とホッとした表情を見せていた。

 石田は2年時から、チームのためとあれば先輩たちにも物申してきた。そのリーダーシップに「僕らも甘えてしまっている部分がある」(波多監督)。一方で、全国制覇、彼が目指すプロというステージで戦うためにはやらなければならないことがある。コーチ陣から指摘される課題を真摯に受け止めて、改善するだけ。この日まだまだ成長する時間を得た石田は、一日一日進化し続けて目標を達成し、市立船橋を卒業する。

(取材・文 吉田太郎)
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