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[MOM3311]初芝橋本FW樫村宝(3年)_“反省点は伸びしろ”。決勝で逞しいプレー見せ、2ゴール

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初芝橋本高FW樫村宝は決勝戦で逞しく2ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 選手権和歌山県予選決勝 初芝橋本高 4-2 近大和歌山高 紀三井寺陸上競技場]

 決勝戦での初芝橋本高は、どの選手も集中力高く、良いパフォーマンスを見せた。特に、「16分に先制点、28分に2点目をFW樫村宝(3年)が奪えたことは大きかった」と阪中義博監督は振り返る。ハードワークするチームに体力がまだ十分ある時間帯に点を重ねられたことで、自分たちを信じて走りきることもできた。

 選手権予選が始まり、準々決勝ではゴール前でチャンスはあるが、得点することができなかった樫村。試合後、「選択肢がたくさん見えすぎて、どれが最も良い選択なのか考えてしまい、決断するのが遅くなってしまっている」と話していた。

 けれど、決勝戦の1点目のシーンでは、回ってきたボールをすぐにシュートが撃てる場所に落とすと「何も考えず」右足を力強く振り抜いた。2点目のPKを獲得したシーンでも、「ゴール前に仕掛けていく」という強い意志も見えた。いつも前向きな樫村が、準々決勝で「ちゃんとゴールを挙げて、FWである自分の務めを果たしたい」と少し悩んでいるような様子を見せたのが嘘のように、本来持っていた力強さと輝きを取り戻した。

「準々決勝の後、阪中義博監督に『もっと自分の持っているものを生かせ』と言われ、目が覚めた」という。樫村の体つきについては、阪中監督は以前から「恵まれた体だと思う。あれだけしっかりした体であれば、もっと逞しくゴール前に行ってほしい」と話をしていた。

 休校期間中には、地元でジムを経営している知人に指導してもらってさらに筋力アップを図り、体重も増やしていた。それなのに、「忘れかけていました、自分のフィジカルの強さが武器だったということを。パスをどこに出そうか、どうやって連携をとろうかということに考えが偏っていたように思う」と気づいたことで、決勝での逞しいプレーに繋がった。

 得点シーン以外でも、ピッチで大きな声で鼓舞する姿なども見られ、キャプテンとしての務めもしっかり果たした。試合後にはいつも通り客観的な目線で「後半の途中から、少し集中力を切らしてしまっていたし、まだまだ改善しなければいけないところがある」と話していた樫村。けれど、樫村は以前、こんな話もしていた。「反省点は、伸びしろ。反省点が多いほど、これからもっと成長していけるってことですね」。

 FWとして自分自身の伸びしろ、キャプテンとしてチームの伸びしろを最大限に生かし、さらに逞しく成長して全国の舞台に臨みたい。

(取材・文 前田カオリ)
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