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窮地救った鹿島学園185cmの大型CBコンビ、遠藤主将&瀬口が魂のディフェンス:茨城

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鹿島学園主将DF遠藤聖矢(3年)

[11.15 高校選手権茨城県予選決勝 鹿島学園 延長2-1明秀日立 カシマ]

 細部にこだわり、一分、一秒、数センチまで集中力を研ぎ澄ませた。延長前半に2-1と勝ち越しに成功した鹿島学園高は明秀日立高の反撃を跳ね返し、4年ぶりの選手権出場を決めた。守備陣の中心には、3年連続で決勝のピッチに立った主将DF遠藤聖矢(3年)がいた。

「今までの選手権(予選)を振り返ると、一瞬の隙を突かれて失点してきた。自分たちから水が漏れないように練習から心がけています」。空中戦、対人で強さを発揮し、チームを引き締めた遠藤はDF瀬口雄翔(3年)とコンビを組む。185cmの大型センターバック2人が輝きを放ったのは、1-1で迎えた後半26分だった。

 鹿島学園は飛び出したGK小副川虎之介(2年)のミスから、決定機を与えてしまう。明秀日立FW田口大翔(3年)がPA内に抜け出し、あとは無人のゴールに流し込むだけという場面。絶体絶命の状況だったが、猛然と走り込んだ遠藤がスライディングタックルで食い止める。それでも、すぐに起き上がって仕掛ける相手FWに対して、今度は瀬口が渾身のスライディングタックルで仕留め、右拳を突き上げて咆哮。水際で体を張り、息を合わせて窮地を救った。

「あの場面は後ろには瀬口がいた。一年間組んできて信頼を置いたうえで、最後はなんとか止められました」。昨年度の決勝も、二年前の決勝も、目の前で決勝点を許す悔しさを味わってきた遠藤は「隙を無くしていこう」と細部にこだわってきた。「失点するのは一瞬の隙。そこを突き詰めてきて、こういう結果になったと思う」。無失点に抑えられなかったことを悔やみつつも、これまでの経験と取り組みを結実させた。

 3年連続して決勝で立ちはだかった明秀日立の壁を破り、ついに全国の舞台へ。12月31日に行われる1回戦は海星高(三重)と激突する。開幕まで1か月半。「この一年間、チームが追求してきたポゼッションサッカー、全員で守って全員で攻めるサッカーを披露したい」と闘志を燃やした。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2020

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