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[MOM3323]丸岡MF川中浩夢(3年)_全4得点を演出! 北信越タイトル導いた地元育ちの10番主将

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丸岡高MF川中浩夢(3年)

[11.23 プリンスリーグ北信越1位決定戦 丸岡高 4-2 金沢U-18 丸岡スポーツランドサッカー場]

 逆転勝利を飾った丸岡高の全4ゴールはすべて、背番号10のMF川中浩夢(3年)を経由して生まれた。「前半は相手の流れだったけど、後半に追いついて自分たちの流れになった。勝ち切れて良かった」。地元・丸岡町生まれのキャプテンが、北陸随一のサッカーどころに24年ぶりのタイトルをもたらした。

 コロナ禍で大幅なスケジュール変更を強いられ、順位決定戦で優勝を決める形となった今季のプリンスリーグ北信越。近年めきめきと力をつけてきたツエーゲン金沢U-18を下し、一発勝負のタイトルマッチを制したのはプリンス再昇格3年目の丸岡だった。

 逆転劇を牽引したのは背番号10の川中。前半4分、左サイドからのクロスでFW河上英瑞(3年)の先制弾を導くと、ハーフタイムまでに2点を奪われたが、後半8分にキッカーを務めるPKで同点弾。さらに直後の同10分、川中の左CKで誘ったゴール前の混戦からDF東出来輝(2年)の勝ち越しゴールが決まり、最後は同36分、左CKでDF飯田晃明(3年)のダメ押しヘッドをアシストした。

 逆転劇を導いたCKのキッカーは本来、ハーフタイムで途中交代したMF田中遥人(3年)の役割だった。それでも、代役ながら味方との連係は完璧。一つ目のキックは変化をつけたショートコーナーからDF竹島智哉(3年)にしっかり届け、二つ目のキックはファーサイドでハイジャンプを見せた長身の飯田にピタリ。「キーマンは飯田なのでどう使うか」(川中)というチームの狙いを結果につなげた。

 丸岡は足掛け3年目の挑戦で初のプリンスリーグ北信越制覇。24年前の前身・高円宮杯で地域予選を制して以来のタイトル獲得だ。「プリンスでは全試合、接戦をモノにしてくることができたので自信になる」(金沢)。グループリーグでは星稜高、富山一高、富山U-18、金沢U-18が同居したB組をいずれも1点差で3勝1敗。最後の順位決定戦では唯一敗れた金沢U-18をついに2点差で破り、結果だけでなく成長も感じられる大会となったようだ。

 そうした自信は、1か月後に控える全国選手権に向けても大きな財産となる。

 川中にとって全国選手権は1年時から3年連続での出場。ルーキーイヤーはジョーカー起用で得点も記録し、2年時は中心選手として攻撃を牽引したが、最上級生となった今年度は「先輩たちが話し合って決めた」というキャプテンとして臨む。「1〜2年生は控えめでまとめ役は飯田に任せ切りだったけど、俺がもっとやらないといけないと思った」。そうした成長も見せつけるべき集大成となる。

 全国での大きな目標は同校最高記録に並ぶベスト4。そのためには初戦のルーテル学院をはじめ全国の予選を勝ち抜いてきた相手を倒し、8強で当たる青森山田高のブロックも突破しなければならない。川中は「攻撃の質を高めて一本のチャンスを決め切れるかどうかで勝負が決まる。そして課題は守備のところなので重点的にやっていきたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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