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プレーオフ含めて5試合2失点。堅守という特長も持つ“赤い彗星”東福岡が全国ルーキー出場権獲得

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東福岡高は3年連続となるルーキーリーグ全国大会出場権監督

[11.29 球蹴男児U-16リーグプレーオフ 東福岡高 3-1 鹿児島城西高 大津運動公園]

 九州の強豪校が90分間ゲームのリーグ戦を通して1年生選手の育成および指導者のレベルアップを目指す「球蹴男児U-16リーグ」は29日、ルーキーリーグ全国大会(12月、静岡)出場を懸けたプレーオフ2試合を行った。D1リーグAグループ1位の東福岡高(福岡)と同Bグループ2位・鹿児島城西高(鹿児島)との一戦は、東福岡が3-1で勝利。3年連続3回目の全国大会出場を決めた。

 試合は開始直後に東福岡が先制する。前半5分、東福岡は敵陣でボールを奪い返すと、MF植田稔真主将がPAへループパス。諦めずにボールを追ったMF松本拓己がPKを獲得する。これを松本が自ら右足で左隅へ決めて1-0とした。

 リードした東福岡は後方から丁寧にビルドアップ。CF武谷唯人やトップ下のMF 田中晃誠との連係などからMF下川翔世がサイドへ散らし、右のMF篠塚来夢とSB田中大輝、左の松本とSB佐藤颯がクロスへ持ち込もうとする。また田中晃が左足FKでゴールを狙うシーンもあったが、畳み掛けるまでは至らない。

 残念な失点を喫した鹿児島城西だが、立て直してハイプレスとオープンスペースを突く攻撃で対抗。質の高いキックを連発していたDF山口慶祐をはじめ、DF姶良心己助、DF加藤廉が相手SBの背後を狙う配球で押し返す。そして、リーグ戦4試合で11得点のエースFW前田隼希やMF原田天が鋭い仕掛け。34分には前田が持ち込んで左足を振り抜く。これは東福岡のU-15日本代表候補GK須田純弥に阻まれ、こぼれ球を狙った原田の左足シュートが枠を外れたものの、リーグ戦4試合でわずか1失点の東福岡DF陣を脅かした。

 後半も鹿児島城西は相手の背後を突く形で惜しいシーンを作り出す。それでも、東福岡は平岡道浩コーチが「ゼロで抑えること。攻撃よりも守備のところを言っていました。特に前田君にやられないように徹底して言っていました」というように、CB吉田大晃とCB村上龍之介を中心に連係して守り、GK須田の飛び出しも含めてゴールを許さない。

 それでも主将のMF小堀優翔が「PAを外してサイドの隅を狙うことを1年間通してやってきていて、それを今日やって東福岡にも通用したと思う。裏への攻撃、アイディアも強みなのでそれも意識して戦っていました」と語る鹿児島城西は後半20分、1点をもぎ取る。左サイドのMF是枝大翔を起点とした崩しから原田がゴール前へ。最後はこぼれ球を小堀が右足で決めて同点に追いついた。

 だが、東福岡はその1分後、「(自分の強みは) 対人の強さです。リバプールのファン・ダイク選手とかのように対人が強くて落ち着いてプレーできる選手になりたい」という吉田が敵陣でインターセプト。すぐに交代出場FW田中雷へ縦パスを通す。ボールの勢いを殺さずに左中間で前を向いた田中雷がDF1人をかわして左足シュート。これがファーサイドのゴールネットに吸い込まれ、勝ち越しゴールとなった。

 東福岡は年代別日本代表候補の須田や田中雷のような素材感ある選手もいるが、まだまだ現時点で飛び抜けたタレントはいない。それでも「シュートを打たせない、スルーパスを出させないところからしっかりやること」(平岡コーチ)という東福岡はこの日も、まず各選手が守備の部分を徹底。攻撃面では思うようにいかず、我慢の戦いでもあったが、連動して相手にプレッシャーをかけ、スペースを消すことを続けて攻撃力の高い鹿児島城西に2点目を許さない。

 後半37分、鹿児島城西はMF和田壮真のラストパスで前田が抜け出しかけたが、東福岡は吉田がスライディングタックルで阻止。東福岡は直後にも山口の左ロングスローから前田に決定的なヘッドを浴びたが、GK須田が頭上への一撃を驚異的な反応で叩き出した。

 吉田は「守備を組織的にするところは練習でしっかりとしてきたので、それをしっかりと試合で出せたことがこれまでの失点の少なさに繋がっていると思います」とコメント。終盤、パワーを持って同点ゴールを目指してきた鹿児島城西の攻撃を跳ね返した東福岡は逆に43分、敵陣で下川がボールを奪うと、FW鈴木亜門とのワンツーにチャレンジする。最後はこぼれ球を拾った下川が冷静に左足でゴールへ流し込み、勝負を決定づけた。

 3-1で勝った東福岡は全国大会出場権を獲得。吉田は「全国ではもっと凄いFWがいると思うので、全国レベルのFWを体験したいです」と語った。大津高(熊本)、九州国際大付高(福岡)、長崎総合科学大附高(長崎)、熊本国府高(熊本)、そして鹿児島城西との5試合の90分ゲームで失点わずか2。堅守という特色も持つ“赤い彗星”の1年生が全国に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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