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フランクフルト監督、長谷部誠に関する“引退示唆”を釈明「決して私が決めるものではない」

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MF長谷部誠

 フランクフルト率いるアディ・ヒュッター監督が、元日本代表MF長谷部誠の来夏の現役引退をうかがわせる発言について説明した。

 ヒュッター監督はブンデスリーガ第10節ドルトムント戦後の会見で長谷部の状況について問われると、若手エヴァン・ヌディカに出場機会を与える必要性を強調しつつ返答。「マコトは経験豊富な選手で、私が指導した中でも最高のプロ精神を持つ選手の1人でもある」と高い評価を口にするも、「マコトがプレーすれば、マルティン・ヒンターエッガー、エヴァン・ヌディカのうち1人がプレーしないことになる」と指摘し、「マコトはもうすぐ37歳になり、おそらく夏には現役キャリアが終わるだろう。なので、マコトがいなくてもプレーできるようにならなければならない」と来夏には現役引退する可能性を示唆していた。

 だが、長谷部は後日の『ビルト』の取材で来夏以降については「まだ決めていません」と現役続行の可能性もあると示唆。報道を受け「日本のクラブからいくつかの話があります」とも明かしたベテランだが、「春先に(フランクフルトとの契約を)もう一度延長するかもしれませんし、辞めるかもしれません。どうなるのでしょうかね」と今シーズン終了後についてはまだ具体的な決断を下していない様子をうかがわせていた。

 そして、現地時間11日の第11節ボルフスブルク戦を翌日に控える会見に臨んだヒュッター監督は、改めて長谷部についてコメント。現地メディアの取材陣に「ハセベは引退に関してはまだ決めていないと語ったが」と問われたオーストリア人指揮官は「上手く伝わらず、解釈の余地を与え過ぎたかもしれない」と前置きすると、次のように続けた。

「確かにエヴァン・ヌディカについて話し、(長谷部を起用すれば)彼かマルティン(ヒンターエッガー)をベンチに置くことになることが残念だと表現した。マコトをベンチに置くことも残念だよ。彼の年齢にも言及した。だが、マコトが現役キャリアを終えるタイミングを決して私が決めるものではない。彼自身が1人で決めるものだ。彼がここフランクフルトでそれだけの評価を得ているということだ。どういった決断に至るのか、様子を見なければならない。ただ、もう20歳ではないこともひとつの事実だろう」

 長谷部は今季第7節シュツットガルト戦までリーグ戦のすべてにフル出場するも、その後の3試合はベンチから見守ることに。ヒュッター監督はその古巣であるボルフスブルクとの対戦での起用の可能性を問われると、「マコトは4バックでプレーするのを好まないため、(ヌディカ、ヒンターエッガーのうちの)1人を外すことになるだろう。6番(ボランチ)でもプレーすることが考えられる。最終的には中央で仕掛けてくる優れたチーム相手にどう対応するのか考えなければならない」と返した上で「マコトが明日プレーするのかについてはまだ言えないし、言いたくない」と明言を避けた。

 さらに、前節ドルトムント戦で鎌田大地のゴールを絶妙なフィードでアシストしたヒンターエッガーが「将来長谷部の後釜になり得るか」との質問も飛んだ。同監督は「マコトもマルティンも前方に向けたプレーが非常に上手い。2人とも低いシャープなボールをライン間に送るクオリティを持ち、ビジョンも優れている。マコトは、長年にわたって中盤の中央でプレーしたことも影響している。マルティンもそのようなボールを前方に出せるが、2人ともビルドアップにおいて我々にとってものすごく重要な役割を担う選手たちだ」と語っている。

 日本に限らず現地でも注目を集めている長谷部。いずれにせよ、フランクフルトでの今後の起用法がその決断に大きな影響を及ぼしそうだ。
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