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プレミア王者・横浜FCユースがクラセン初戦突破!「決定力はまだまだ」と課題も、新チームで挑んだ熊本ユースを破る

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MF山崎太新(2年)が先制ゴール

[12.25 日本クラブユースサッカー選手権U-18大会1回戦 横浜FCユース 1-0 熊本ユース 前橋フA]

 日本クラブユース選手権(U-18)大会が25日、群馬県内各地で開幕した。例年は夏に行われる大会だが、コロナ禍の影響で延期となり、ノックアウト方式に変更となった。コーエィ前橋フットボールセンターAグラウンドでの第2試合は横浜FCユース(関東3)と、ロアッソ熊本ユース(九州4)が対戦した。

 前半は高円宮杯プレミアリーグ関東優勝の勢いそのままに横浜FCユースが攻め立てる。左ウイングに入ったMF佐々木柊真(3年)と、インサイドハーフに入ったMF山崎太新(2年)が何度も切れ味鋭いドリブル突破を見せて、相手陣内深くに進入し、決定機をつくり出した。熊本ユースは3年生がプリンスリーグ九州終了時点で全員引退し、1~2年生で臨んだが、身長187cmのGK廣田公明(2年)やDF石橋颯太(2年)を中心に、ピンチをしのいだ。

 そんな中、横浜FCユースが先制点を挙げたのは前半29分、左サイドを突破した山崎が熊本GK廣田のポジショニングを見て、右足でミドルシュートを放つ。「コースは甘かったのですが、風もあって良いシュートが入りました」と振り返った通り、廣田が手で触るも、風に乗ったシュートの勢いが勝りゴールへと吸い込まれた。その後も横浜FCユースが多くの決定機をつくり、前半を1-0で終えた。

 後半は熊本ユースもボールを保持しながら、相手を崩そうとする場面が増え、キャプテンでボランチのMF谷山湧人(2年)が攻守に奮闘しゴールに迫るが、横浜FCユースはU-16日本代表のDF杉田隼(2年)をはじめ、DF花城怜志(3年)、GK深宮祐徳(3年)ら守備陣が冷静な対応を見せ、シュートを打たせない。結局熊本ユースはMF最上龍聖(3年)が放ったシュート1本に抑えられ、1-0で横浜FCユースが逃げ切った。

 横浜F Cユースの早川知伸監督は、決定機は多くつくれたものの1得点にとどまったことから「チャンスはあったので、もっと得点できれば良かったです。(初戦なので)だいぶ硬かったです。もう少しできると思ったのですが、選手たちは緊張していましたね」と初戦の難しさを口にした。杉田も「ボールを握る時間は多かったのですが、決定力はまだまだです。守備陣のリスク管理も完璧ではなかったので、もっと主導権を握りたいですね」と反省点を述べた。

 それでもDFラインから丁寧にパスを回し、幅と厚みを持った攻撃でゴールに迫るサッカーは、さすがプレミアリーグ関東王者だ。「自分たちがボールを持ちながら前進していきたい中でのミスが多かったので、もう少し質、精度を上げたい」と早川監督が語る通り、さらにミスが減ってくれば、攻撃の迫力は一層増すだろう。2回戦は26日、コーエィ前橋フットボールセンターCで三菱養和SCユース(関東6)と対戦する。

 一方の1~2年生で臨んだ熊本ユースは関東王者相手にパスで崩そうという姿勢も見せ、健闘した。中山貴夫監督は「力の差があるのは分かっていました。九州にこうした環境は無いので、出し切ってやろうとプレーしました」と全力で挑ませたことで僅差の勝負に持ち込めた。「個人の部分でフィジカル、技術のランクを上げないと得点につなげるのは難しく、チャンスの手前で終わってしまいます。それでもどのくらいの位置にいるのかは分かりました」と課題を今後に生かそうとしていた。

 キャプテンの谷山も「これだけ強いチームに0-1は自信になりますが、自分たちとしてはもっとやれました。ビルドアップ、サイドの崩しなどは、もっと余裕を持って相手を見ながらできました」と自信を得つつも課題を認識している。「来年に向けて課題が見つかったので、修正しながらこの舞台で良い結果を残せるようにしたいです」と既に来年夏の大会を見据えていた。

(取材・文 小林健志)
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