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[横山杯]来季の復権、日本一へ向けて競争中の前橋育英、PK戦で帝京安積を下す

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前半8分、前橋育英高の右SB正木綾人(左)が先制ゴール

[12.27 横山杯準々決勝 前橋育英高 3-3(PK6-5)帝京安積高 ジャーニィー若松G B面]

 強豪校の新チームの1、2年生が「サッカータウン波崎」(茨城)で力を磨く「全国ユース招待サッカー大会 ~YOKOYAMA MEMORIAL CUP~」は27日午前、準々決勝を行い、前橋育英高(群馬)が3-3で突入したPK戦の末、6-5で帝京安積高(福島)に勝った。

 大会は新型コロナウイルス感染防止を徹底し、例年よりも規模を縮小して無観客開催。前橋育英の山田耕介監督は「(色々な方々の協力によって)大会が開催され、参加できることに感謝しなければいけない」と語る。貴重な機会に感謝しながら、各チームはB戦を含めて強化。その中で、選手権予選敗退から復権、日本一へのスタートを切った名門・前橋育英の選手たちにとって今大会は、個々の成長の場、また1月の新人戦での出場チャンスを掴むためのアピールの場となっている。

 前半はDFラインやボランチのところで帝京安積のプレッシャーを剥がし、FW小松幹汰(2年)らの個人技やコンビネーションの崩しでチャンスを作り出した。8分には「相手が結構パス読んでくるチームだったので、得意のドリブルが活きたと思います」という右SB正木綾人(2年)がドリブルで切れ込んでそのまま右足で先制ゴール。さらに14分には小松が右サイドを打開し、その折り返しをMF坂田綜太郎(2年)が決めて加点した。

 前橋育英は優勢に試合を進める中、MF岩立祥汰(2年)とMF大當泰生(1年)が安定したゲームコントロール。一方の帝京安積はボールを繋ごうとするが、繋げず。守備も行き切ることができない。後半は俊足MF丸山翔(2年)が右サイドを突破するシーンもあったが、12分に三度失点。前橋育英は岩立の左CKをCB宮島大貴(2年)が頭で合わせて3-0とした。

 だが、帝京安積は17分、MF草間大耀(2年)のクロスをFW相馬匠汰(2年)が右足ダイレクトボレーでゴール右隅へ流し込む。さらに19分にも草間の左FKのこぼれ球を相馬が頭で押し込んで1点差とした。

 プリンスリーグ東北に所属する帝京安積の新チームは、小田晃監督が「スピードで突破できる選手や細かいところのできる選手がいる」という世代。課題の守備面で不安定さが出たが、前橋育英相手にも力を発揮できることを理解すると、期待の1年生FW横塚翼らが細かくボールを繋ぎながら前進するなど押し返した。

 前橋育英はリズムが崩れてから立て直すことができず、相手のプレッシャーを避ける形でロングボールが増えてしまう。そして、29分には帝京安積CB水野巧(2年)が後方から蹴り込んだFKがそのままゴールイン。ついに3-3となった。

 それでも、前橋育英はPK戦で6人全員が成功して勝利。正木は「勝ちたいという気持ちが大事だと思ったので、それがこっちの方が上だったと思いました。去年は結果残せていない分、悔しい思いがあった。今年はしかも選手権が100回大会なので。全部タイトル取るつもりでみんなでやっています」と頷く。彼らは来季の主軸候補だが、他大会に出場中のチームメートを追う立場であることも理解。正木は「自分的にはディフェンスが強みだと思う。クロスの回数や質を求めて、クロスで点を取れたら強みになると思う。1年の頃はずっとBで悔しかったのでこのまま巻き返していきたい」と意気込んだ。

 前橋育英は横浜創英高(神奈川)との準決勝を4-0で快勝。28日の決勝で習志野高(千葉)と戦う。選手たちは、「この大会は新人戦へメンバー選考の一つ。みんなに可能性がある。自分の持ち味やストロングを出してもらって頑張って欲しい」と期待する山田監督やコーチ陣の前で強みを発揮し、チャンスを掴む。
 
(取材・文 吉田太郎 取材協力 スポーツマネジメント)
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