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目標とする存在に千葉決勝で勝ち、刺激も受けた市立船橋GK細江「彼を越えていけるようなプレーを」

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市立船橋高の守護神、GK細江彦太

 11月15日の選手権千葉県予選決勝で、市立船橋高は延長戦の末に宿敵・流通経済大柏高を1-0で撃破。GK細江彦太(3年)は優勝を喜んだ一方、目標とする相手GK松原颯汰(3年、千葉内定)から刺激を受けていた。

 細江は2年時のプレミアリーグ前半戦で先発出場を続けるなど、大きな期待の中で力をつけてきた185cmGKだ。だが、常にその前を歩んでいたのが松原。彼は1年時から流経大柏のゴールを守り、選手権で全国準優勝を記録した。その後、年代別日本代表や日本高校選抜候補にも選出され、今年は千葉入りが内定。あとを追ってきた細江にとって、今回の予選決勝が待望の初対戦だった。

「(松原は)1年の時からずっと出ていて、自分は見ることしか。一緒に戦ったりというのはできなかったので、参考にしながらやったりもしましたし、負けられないなと言う気持ちも凄いあって」。この試合、細江はミスもあったが、コーチングなど自分の良さを発揮してほとんど決定打を打たせずに100分間を無失点。延長終了間際の決勝点によって松原との初対決を勝利した。

 この勝利について、素直に「凄く嬉しかったです」と振り返る。一方、直接対決したことで彼の凄さを改めて感じる試合にもなった。「キックのところとか雰囲気、コーチングとか味方に凄く強く言うし、自分もウリだったんですけれども、コイツの方がオレより凄いなと。1対1止めたシーンとかも凄えなと。裏のケアとかもお手本でした」。細江はこの決勝後、より意識を高めて精力的にレベルアップを目指してきた。

「(得意とするコーチングも)松原と一緒にプレーして負けているなと思った部分があったので。(キャプテンの)石田(侑資)がプレミアいなかったりしたので、自分がキャプテンシーを持ってやりました。勝ったからには、自分が松原以上のGKにならないと優勝に相応しくないと思うので、これから彼を超えていけるようなプレーをしていきたいです」。選手権はまずチームの勝利に貢献することが第一。その上で自分のできる最大限のプレーをして松原に少しでも追いつき、追い越すようなプレーをしなければならないと考えている。

 全国大会では徹底して意識付けしてきたことを発揮する。伊藤竜一GKコーチと高橋諭GKコーチの指導の下、市立船橋からは今月仙台入りが決まった仙台大GK井岡海都(4年)を含めて毎年のように好守護神が育っている。細江が市立船橋のGK練習で特に学んだことは「意識」の部分だ。

「GKは技術が大事だと思うんですけれども、技術を向上させるためには意識が大事なんだなと。練習の雰囲気もそうですし、ミスを許さない環境を作っています。GKは一つのミスが失点に繋がってしまうので、そういうものを練習からどんな時でも意識するというか、意識のところは凄く変わって、そこから技術とかの成長に繋がっていると思います。(量は分からないが、GK練習の)意識とか雰囲気は日本一のものがあるんじゃないかと思います」。

 全国大会では市立船橋で学んだこと、また目標の存在との対戦から学んだことを表現する。選手権で支えてくれてきた人たちへ恩返しすることも目標。「自分は小学生の頃、凄く小さな少年団(高塚FC=松戸市)でやっていて、(挨拶に行った時に)凄くみんな応援してくれて、周りの方々に支えてもらってここまで来たので、今のスタッフとかBチームの選手とかにも恩返しできるような大会にしたいと思っています」。そのためにも、12月31日の初戦(対佐賀東高戦)から必ず市船のゴールを守り抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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