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鬼門突破の京都橘は2回戦で昌平とのビッグマッチ「正直に言うと、やりたかった」

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京都橘の選手たちは得点後、喪章を掲げ、昨年度卒業したOBで、10月に事故で亡くなった湊麟太郎さんにゴールを捧げた(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権1回戦 松本国際高 0-6 京都橘高 NACK]

 6発大勝で“鬼門”を突破した。15年度、16年度、17年度、19年度と直近で出場した4大会はいずれも初戦敗退に終わっていた京都橘高。8強入りした14年度大会以来の初戦突破を果たし、京都府勢としても6大会ぶりの1勝を挙げた。

「ずっと初戦で勝てていないのが続いていて、アレルギーにならないようにとは思っていた。初出場のつもりで、1戦目に懸ける気持ちでやってきた」。そう明かした米澤一成監督が「あの1点目が大きかった」と称えたのは前半10分の先制点。MF中川樹(3年)の右CKにDF金沢一矢(3年)が頭で合わせた。

 182cmのセンターバックは先制点のみならず、得意のロングスローから後半27分と29分に連続ゴールを演出。京都橘が誇る強力な飛び道具にはFW西野太陽(3年、徳島内定)も「いろんな位置からCKが蹴れる感じ。うちは身長の高い選手も多いし、武器になる」と強調する。

 来年1月2日の2回戦で対戦する昌平(埼玉)は小柄な選手が多く、高さでは京都橘に分がある。1回戦の先発11人の平均身長は昌平の173.0cmに対し、京都橘は177.6cm。セットプレーがポイントになりそうなだけに、キッカーである中川が負傷交代したのは不安材料でもある。

 試合後、救急車で搬送された中川について米澤監督は「様子を見ないといけない。彼のキック、セットプレーがあるからデカい選手が走り込める。うちの生命線でもある」と心配顔だったが、2回戦で当たる昌平に対しては「正直に言うと、やりたかった」という。

 8月のRYUKEI CUPでも対戦しており、結果は0-3の完敗。「すってんてんにやられている。差がかなりあったので、その差をどれだけ縮められているか」と言えば、MF中野晃弥主将(3年)も「夏はボールを回されて取れなかった。内容も完敗で、やりたいことがやれなかった」とリベンジを誓っている。

 昌平は1回戦で高川学園(山口)と対戦し、0-2の状況から後半40分と後半アディショナルタイムのゴールで同点に追いつき、PK戦の末、初戦を突破した。「僕らは快勝して、昌平は接戦。メンタル的にも僕らの方が緩みがちだと思う。今日の得点数とかは気にせず、集中して臨みたい」と中野。勝って兜の緒を締め、大一番に備える。

(取材・文 西山紘平)

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