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[MOM3346]帝京大可児FW大森涼(3年)_兄の背中を追って2得点!!目指すは得点王&高校選抜入り!!

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帝京大可児高FW大森涼は2得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京大可児 3-1 初芝橋本 駒沢]

 前回大会も選手権に出場。当時19だった背番号を10にしてFW大森涼(3年)は今大会戻ってきた。「昨年の全国大会が公式戦初スタメンだったと思います。ただ力を発揮できなかった。それから1年の間、得意のドリブルに磨きをかけてきました。今日はその力が発揮できたのではないでしょうか」と帝京大可児高(岐阜)の仲井正剛監督が評価する。

 フットサル仕込みというドリブルは小刻みで、見えるか見えないかという狭いスキに入り込む。それを可能にしているのは緩急自在のリズム。「1点目はMF鈴木淳之介(2年)からいいスルーパスが来たので。相手がスライディングしてくるのが見えたので股抜きを狙いました」というように、前半11分の先制ゴールをスルーパスに上手く反応してGKの動きを確認、冷静に流し込んだ。続く31分の3点目の場面は「MF 三品直哉(2年)がマイナスに出してくると思ったので、思い切り振り抜きました」とイメージ通り。チームを波に乗せるにはじゅうぶんな活躍だった。得点シーン以外でもドリブルからいくつものチャンスメイク。特に後半、初芝橋本高(和歌山)に流れが行きかけたところで、それでも踏みとどまれたのは彼のドリブルが脅威を与えていたことと無関係ではないだろう。

 帝京大可児に入ったのは、3歳年上の兄・颯樹の影響が大きい。兄は選手権に出場し2得点。その数字にさっそく並んだ。そして目指すは、その兄たちの代が記録した同校最高成績のベスト16超え。「1年前に比べ決定力がついて、チャンスで決め切れるようになりました。それまではドリブルでカットインが多かったところも、縦に行けるようになった。個人としては、得点王になって高校選抜に選ばれたいです」

 兄は2017年度の選手権で「僕が勝たせられるように」と言っていた(2ゴールを挙げた2回戦の滝川第二戦後)。今は兄の言葉の意味が分かるだろう。そして実践することの難しさと楽しさも感じていることだろう。それも踏まえて兄超え、そして同校の歴史超えに挑む男は、得意のドリブルから仕掛ける機会を虎視眈々と狙い続ける。


(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 伊藤亮)
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