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[MOM3352]関東一FW笠井佳祐(3年)_99回大会ハット1号、都大会から6試合連続11得点のストライカー

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関東一高FW笠井佳祐(3年)の2点目(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権1回戦 関東一高4-0山辺高 ゼットエー]

 いまの3年生の代では選手権は初、全国大会としても2年前のインターハイが最後ということもあって、関東一高(東京B)の多くの選手が初めて全国の舞台に立った。そんな中、衝撃のハットトリック全国デビューを飾ったのが、背番号10、FW笠井佳祐(3年)だった。

 山辺高(奈良)を圧倒しながらも得点を取れないまま最初の40分を終えるも、後半立ち上がり4分に、後半から投入されたFW平田晟也(3年)が流れを引き寄せた。ロングボールでDFラインの背後をとった平田がGKと1対1に。シュートはGK志賀隼太(3年)の好セーブに阻まれるも、つめていた笠井が押し込んだ。

「流れがそんなによくない中で、平田がいい裏パスから抜けてくれて、シュートから(こぼれ球が)たまたま自分のところにたまたまきた感じなんですけど、点を取りたいと思っていたから自分のところにきたのかなと思っています」
 
 その後、平田が加点してリードを2点に広げると、MF肥田野蓮治(2年)のスルーパスから「GKを見ながら右に巻くだけ」と10番は冷静に右足で流し入れた。3点目は、山辺DFのバックパスをチェイスし、GKが蹴ろううとしたところを「跳ね返りを狙っていた」とスライディングで押し込んで1回戦で唯一となるハットトリックを完成させた。

 都大会では5試合連続の8ゴールを挙げていた笠井。その数字は全国大会に入って6試合連続の11ゴールに伸びた。小野貴裕監督もエースとして期待を寄せており、「笠井の相方は、宇山(輝)と沼田(晃将)と平田(晟也)が3枚がいて、それぞれ特徴がある」と笠井を柱に2トップの組み合わせを決めている。「宇山は笠井の相方として潰れ役をやってくれたり、ほかの選手も笠井が点を取るためにがんばってやってくれている。笠井も自分が(ゴールを)取ることを自分だけの力で取っていると思っていないと思う」という指揮官の指摘どおり、「今日も仲間のおかげでというシーンが多かったので、仲間に感謝しかないです」と笠井は言う。小野監督は「成熟というか、精神的なものはだいぶ大きくなっていると思う」と成長に目を細める。

 チームとして日本一を目指し、勝利に貢献していく中で、「高卒でプロに入れなかったので。上に行けば行くほど見てもられると思う」と個人としての活躍も期する笠井。「もっと決めるチャンスがあった」と本人も指摘するように、立ち上がり3分に相手のミスをついて迎えたこの試合最初の決定機はものにすることができなかった。小野貴裕監督が指摘するように、ここを決めていればより点差がついてもおかしくない展開だった。「試合を重ねながら決定力をもっと上げていきたい」と2回戦以降のゴールを誓った。

(取材・文 奥山典幸)
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