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「みんながボロボロ泣くから…」中村憲剛との別れに大島、谷口らチームメイトも感涙

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[1.1 天皇杯決勝 川崎F1-0G大阪 国立]

 川崎フロンターレ一筋18年でユニフォームを脱ぐ中村憲剛との別れに、チームメイトも涙した。優勝が決まると、選手たちは涙ながらにレジェンドのもとへ駆け寄った。中村は「泣く気はなかったですが、みんながボロボロ泣くからもらっちゃいましたね。心から嬉しかったです。こんな幸せなサッカー選手はいない」と最後の時間を噛み締めた。

 試合直後のフラッシュインタビューではDF谷口彰悟が「そこで憲剛さんに会って涙出ちゃいました」と目を潤ませ、オンライン取材で中村に関する質問を受けたMF大島僚太は「いなくなることが信じられない」と言い、あふれ出る涙を拭った。

「一緒にプレーしている間にたくさんのことを教えてもらった。あれだけ愛されるサッカー選手はなかなかいないと思うし、僕も憲剛さんを愛していた一人だと、引退発表されてからの憲剛さんを見て感じていた。今後も憲剛さんのことを思い出すと悲しくなるかな」。涙ながらに本音を口にした大島は今後のチームを牽引する覚悟もにじませ、「自分が引っ張っていく覚悟を持って、戦っていきたい。憲剛さんには感謝しかない。全てを教えてもらったサッカー選手です」と思いを語った。

 チームは初の天皇杯制覇を成し遂げ、今季のリーグ優勝とあわせて初のシーズン2冠を達成。中村に出番は訪れなかったが、花道を飾った。谷口は「最後はピッチで一緒に戦いたかった。憲剛さんのためにも絶対に勝って終わりたいとみんなで思っていた。それを成し遂げることができて一安心しています」。決勝点のMF三笘薫は「憲剛さんあってのフロンターレ。背中を追い続けて今に至る。本当に憲剛さんとプレーできてよかった」と感謝を口にした。

 鬼木達監督は「憲剛の最後のゲームなので使ってあげたかった。『使えなくて申し訳ないね』という話をしました。後半途中で憲剛を入れる選択もあったが、あの展開でもし延長になったときにスタジアムの雰囲気を変えられるのは誰かと考えて、それが憲剛だと思っていた」とプランを明かした。最後の瞬間をピッチ上で迎えることはできなかったが、中村は「次のステージに向かうチーム。これはこれで良い筋書きだった」と力を込めた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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