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4強進出の矢板中央、攻撃陣が貴重な先制ゴール!“満点回答”のMF小川心「出られない3年生の分も」

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先制ゴールを挙げた矢板中央MF小川心(3年)が咆哮(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.5 高校選手権準々決勝 矢板中央2-0富山一 駒沢]

 守備陣の踏ん張りに、攻撃陣が応えた。矢板中央高MF小川心(3年)が試合の流れを変える貴重な先制ゴール。今大会はセットプレーからの得点はあったが、2試合連続でPK戦の末の勝利だっただけに、攻撃陣に生まれた価値ある一撃だ。速攻をゴールに結びつけ、守備陣の奮闘に応えた。

 スタイルの似た富山一との準々決勝は序盤から相手のセットプレーに押し込まれ、耐える時間帯が続いた。流れが悪かった前半40分に途中出場。「FWでいくぞ」。高橋健二監督に任されたのは、2トップの一角だった。

ドリブルを武器とする技巧派レフティーは今大会、サイドハーフの位置で途中出場していただけに、「びっくりして、でもFWで出るからには、絶対にゴールを決める」。スコアレスで折り返した後半9分、MF星景虎(2年)のロングフィードで背後のスペースに飛び出した小川は巧みなトラップで相手の前に体を入れると、GKとの1対1を制し、鋭い左足シュートを流し込んだ。

「あそこでボールが流れてくると信じていた。ボールが来て、その時は正直何も考えられなくて。感覚でいって、気付いたらゴールが入っていた」。ジャンプ一番、ガッツポーズで喜びを爆発させた。

「久しぶりに(FWを)やるとなって、燃えました」。“満点回答”の活躍ぶりに、高橋監督も「サイドハーフよりFWの方がいいのかなというくらい、今日は結果を出してくれた」と賛辞を送った。劣勢だった矢板中央はこのゴールで流れを引き寄せると、後半26分にロングスローの流れからDF新倉礼偉(3年)が追加点を挙げ、理想的な形で2-0の完封勝利を飾った。

 今年度のチームはレギュラーの半分以上を2年生が占めるが、試合に出られない3年生の思いも背負ってピッチに立っている。「Bチームたちが悔しい思いを持っていて、出ている自分たち3年生は試合に出られない3年生の分も絶対に勝とうと話しています」。2年連続となるベスト4進出を果たしたが、「自分たちは日本一を狙っているのでここからが勝負」。一体感と勢いを増し、優勝候補筆頭の青森山田高に挑む。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2020

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