beacon

ビッグマッチの勝者は昌平!!華麗な崩しと好守で京都橘撃破

このエントリーをはてなブックマークに追加

昌平高が快勝。試合後、エースMF須藤直輝主将(左)が京都橘高のエースFW西野太陽と健闘を称え合う。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権2回戦 京都橘高 0-2 昌平高 駒場]

 2回戦のビッグマッチは昌平が制す――。第99回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行った。ともに前評判の高い京都橘高(京都)と昌平高(埼玉)が激突し、昌平が2-0で勝利。昌平は1月3日の3回戦で創成館高(長崎)と戦う。

 ともにJクラブ内定選手や複数の年代別日本代表候補選手を擁す注目校同士による大一番。立ち上がりは京都橘がDF金沢一矢(3年)の立て続けのロングスローからゴール前のシーンを作り出す。FW西野太陽(3年、徳島内定)のミドルシュートやMF米田翔大(3年)の仕掛けも交えて先制点を狙ったが、序盤を過ぎると昌平ペースに。ボール支配し、攻め続けた。

 昌平はともに鹿島内定のMF小川優介(3年)とMF須藤直輝主将(3年)やMF平原隆暉(2年)らが失わずにボールを繋いで前進。また攻撃面の巧さ、ポジショニングの良さだけでなく、「今年のチームの立ち上げのところから攻守一体を意識してやってきました」(藤島崇之監督)というように、守備の奪い返しの部分が押し込む要因となっていた。

 そして20分、昌平は左サイドから須藤が中央へ切れ込みながらパス。MF荒井悠汰(1年)が1タッチでDFライン背後へ落とすと、抜け出した平原がPKを獲得する。このPKを新潟内定FW小見洋太(3年)が細かなステップを踏む独特の助走から右足で決め、先制した。

 昌平はさらに24分、小川が左サイドへ抜け出した小見へ繋ぐ。小見がDFのマークを外して平行のラストパスを入れると、平原が左足で押し込んで2-0とした。この2点目が大きかった。その後もボールを支配した昌平は、相手の背後を突く小見に小川からのスルーパスが入ったほか、左SB小澤亮太(3年)が積極的な攻め上がり。29分には荒井のスルーパスで左中間を抜け出した小見がGKをかわす。

 決定的なシュートは枠外へと外れたものの、昌平の一方的な展開に。辛抱強く守っていた京都橘だが、なかなか自陣から抜け出せず、西野、FW木原励(2年)の強力2トップへのボールを昌平の福島内定MF柴圭汰(3年)にインターセプトされるなど、押し返すことができない。その京都橘は、後半開始からターゲット役として金沢を最前線へ。中盤の人数を増やし、守備の安定と西野、木原がボールに触れる回数を増やそうとする。

 だが、後半も昌平の時間が続く。7分、小見の右足シュートがクロスバーをヒット。その後も小川と柴中心にボールを動かし、3点目を狙い続けた。だが、京都橘も後半半ばから終盤にかけてDFラインを押し上げることができるようになり、セットプレーを交えてゴール前のシーンを増やす。だが、28分に西野の放った決定的なシュートは昌平CB唐木晃(3年)がブロック。昌平は唐木、生島翼(3年)の両CB中心に相手のクロスやシュートを身体に当て、危険なボールも集中してかき出した。 

 そのまま、2-0で試合終了。「全国大会ですので、どことやってもベストゲームをやろうと話していた」(藤島監督)という昌平が、大一番で自分たちのサッカーを表現して快勝した。試合後、相手エースの西野と健闘を称え合っていた須藤が、「(課題もあったが)冷静に判断しながらサッカーをしようと話していた。自分たちらしいサッカーができた」と頷き、京都橘の米澤一成監督は「(昌平の)繋ぐ、ボールを持っていくというのがウチの個人、グループ戦術を上回っていた」と認めた80分間。大苦戦した初戦から守備面などの立て直しにも成功した昌平が、目標の全国制覇へ一歩前進した。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP