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“右偏重”変則キックオフから序盤に2発! 試合巧者の富山一、初出場・日本文理大附との接戦制して6年連続初戦突破

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追加点を奪った富山一高MF中川晟(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 富山一高 2-1 日本文理大附高 等々力]

 第99回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦を行い、等々力陸上競技場の第1試合では富山一高(富山)が日本文理大附高(大分)を2-1で下した。3日の3回戦では神村学園高(鹿児島)と対戦する。

「ファーストプレーから勢いを持って入って得点しようと話していた」。主将のDF孝井捺希(3年)が振り返ったように、この日の富山一は立ち上がりから一気にたたみかけた。

 象徴的だったのは10選手がピッチ中央から右半分に入るキックオフ時の布陣だ。ファーストタッチを合図に全員が一気に駆け上がり、そこにロングボールを送り込むと、相手スローインになっても前傾姿勢で攻撃を展開。FW吉倉昇空(3年)の落ち着いたボールキープを起点に右サイドを崩し、FW天野碧翔(3年)の決定的な折り返しにつなげた。

 そして前半6分、主導権を譲らないままにさっそくスコアを動かした。起点はDF女川陽生(3年)のロングスロー。ゴール前に入れたボールを吉倉が頭でそらし、MF松井元冴(3年)が浮き球をなんとか収めると、そこで相手DFのハンドを誘ってPKを獲得した。キッカーは吉倉。ゴール左下を狙ったボールがGK高木聡太(2年)に読まれながらもネットを揺らした。

 そのまま優勢を保った富山一は前半17分にも追加点。右サイドからのスローインを起点にMF福岡輝(3年)が縦パスを入れ、MF中川晟(2年)が右サイドに展開すると、ペナルティエリア角を取った天野が振り向きざまにシュート性のクロスを送り込む。すると、これに反応したのが2列目から走り込んでいた中川。右足で打つと見せかけ左足に持ち替え、最後は冷静にゴール左隅を打ち抜いた。

「狙い通りの入りになった」。大塚一朗監督の言葉どおり、富山一にとっては理想的な立ち上がり。一方、初出場の日本文理大附にとっては固さの見られた時間帯に痛い複数失点となった。

 それでも前半20分過ぎの飲水タイムが明けると、徐々に日本文理大附もペースを取り戻した。最前線のFW垣内太陽(3年)にシンプルなロングボールを当てるだけでなく、アンカーのMF佐潟堅士(3年)を中心にビルドアップにもトライ。5-3-2のシステムで中央を固める富山一に対しても、有効な地上戦を繰り広げていた。

 すると前半29分、日本文理大附はDF太田龍成(3年)のフィードをFW三木誉歩斗(3年)が収めたところからカウンター攻撃を開始。DF大友海翔(3年)がアーリークロスをゴール前に送り込むと、これが相手DFのハンドを誘い、PKを獲得した。キッカーは大分県予選5試合15得点の垣内。強烈な左足シュートでゴール右に突き刺し、全国初ゴールが決まった。

 日本文理大附はその後も垣内を有効に使って攻撃を展開。前半34分には佐潟の左コーナーキックに垣内がヘディングで競り勝ち、大友と三木が立て続けにゴール前へと詰めるというビッグチャンスも生まれた。しかし、富山一もバランスの良いポジショニングで相手の攻撃を単発にとどめ、2-1のまま試合は進んでいった。

 日本文理大附は後半14分、FW木村玲音(2年)のボール奪取から右サイドを攻め込み、大友のクロスに三木がダイレクトで合わせるも、シュートはGK平地巧汰(3年)の正面。富山一も途中出場のFW浅野綾太(3年)らが攻撃機会をつくったが、気合の丸坊主でピッチに立ったDF丸山剛(3年)の粘り強い対応にも阻まれ、ゴールに近づけない場面が続いた。

 そんな富山一は後半アディショナルタイム、投入されたばかりのFW津田将(3年)が浅野のスルーパスに抜け出し、左足で強烈なシュートを放ったが、1本目は丸山に阻まれて2本目はクロスバーに直撃。最後のビッグチャンスで追加点こそ逃したものの、2-1のまま試合を締め、6大会連続での初戦突破を決めた。

 富山一の大塚監督は試合後、白星発進にホッとした様子を見せながらも「前半に2点を取ったときは楽に試合運びできると考えたが、PKで点を取られて慌ただしい試合になった」と課題を指摘。2013年大会以来の優勝という目標に向けて、「優勝当時の個々のレベルに比べるとなかなか達してないと思うが、それぞれが強い気持ちを持って、一戦一戦頑張っていきたい」と謙虚に意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)

●【特設】高校選手権2020

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