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強く逞しく丸岡、らしさ全開で2年連続初戦突破の大手前高松に4発快勝!!

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丸岡が大手前高松に4発快勝(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 丸岡 4-1 大手前高松 味フィ西]

 1997年度大会の最高成績ベスト4超えを目指す、北信越プリンスリーグ覇者の丸岡高(福井)が昨年度の初出場から2年連続で初戦を突破した大手前高松高(香川)に4-1で快勝。3日の駒沢陸上競技場で行われる堀越高(東京A)との3回戦へ進んだ。

 ともに前への推進力があり、セットプレーを強力な武器とするチーム。ロングスローの強みを持つのも同じだ。試合はどちらが自分たちらしさを発揮し、より押し込めるかが焦点だった。

 前半キックオフ直後は互いに探るような展開で形を作るシーンもあった。しかし9分、丸岡は相手ゴール前中央でMF岡田祥吾(3年)からのパスをFW新堀陽斗(3年)が右足で押し込み先制。これで勢いづいた丸岡が、伝統のハードワークを発揮。球際への寄せの早さと強さで大手前高松に余裕を与えない。

 そして16分、得意のセットプレーから追加点を挙げる。右サイドのFK、 MF川中浩夢(3年)からのボールをMF東出来輝(2年)がバックヘッドでゴールへ流し込み2-0とする。

 大手前高松のキャプテンGK三谷幸記(3年)は「格の違いを見せつけられた」と認める。「映像で分析しても相手が格上だと分かっていた。特にストロングのセットプレーはミーティングでも複数あるパターンのうち、一番警戒していたパターンでやられてしまった。想定内なのにやられてしまった。ミーティングで本質をつけていたのか…もっと警戒できたと思う」と悔やむ。

 ただ、まだ早い時間帯での2点差。次の1点次第では試合の様相は大きく変わる可能性があった。初戦に引き続き先発した長身FW陶聖太郎(3年)をターゲットにボールを集めるが、一旦はおさまるものの後が続かない。そこで28分に陶に代えスピードのあるFW足立大和(3年)を投入。すると29分、丸岡最終ラインのミスパスをカットしたMF正木浩輔(3年)がシュートを放つ。しかし、これがサイドネット。ピンチを脱した丸岡は逆に前半アディショナルタイム2分に、右CKからFW河上英瑞(3年)が完璧なタイミングでヘディングシュートを決め、決定的な3点目を挙げて前半を終えた。

 大手前高松は後方からのビルドアップや積極的な選手交代で打開を図る。しかし出足の衰えない丸岡の集中力の高い寄せをかいくぐれない。14分にはPKを献上してしまい、これを川中がきっちり決め4-0。丸岡の小阪康弘監督は「初戦とこの試合と2試合とも同じ形、同じタイプのチームが相手。対応が上手くいっている。いい時間帯に点が取れて、そのままいいところが出た」とチーム状態のよさに手ごたえを感じているようだ。
 一方、大手前高松の川上暢之監督は「最後の得点力の精度の差」と言う。それでも後半25分、得意のロングスローからオウンゴールで1点を返した。この試合の登録メンバー20名中、2年生が4人、1年生が3人。まだ若いチームなだけに、この1点は来シーズンへとつながるはずだ。

 丸岡はチームとして意図を持ったうえでのハードワークが機能しているようにうかがえる。北信越プリンスリーグでの経験や平成30年に開催された地元・福井での国体に向けた強化の成果が見受けられる。堅実なチームがその特徴を極めれば、確実性が高まるぶん、特にトーナメント戦で強さを発揮する。1997年度大会のベスト4超えへ、チャンスが開けてきた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 伊藤亮)

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