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[MOM3366]仙台育英MF島野怜(2年)_「1試合1得点」掲げる大型ボランチが初戦で3得点

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仙台育英のMF島野怜は今大会2人目のハットトリック(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 仙台育英高3-0宮崎日大高 フクアリ]

 4年連続35回目の出場となる仙台育英高(宮城)は、昨年は同校として30年ぶりに16強入り、全4試合を戦った。4試合2失点と堅守が光った一方で、4試合2得点と攻撃面には物足りなさが残った。「とにかく点も取ろう」と城福敬監督が築いてきた今年度のチームは、大会初戦で昨年の4試合を上回る攻撃力を見せた。

 まずは前半32分、仙台育英のサイドアタックが実を結ぶ。右サイドハーフの明石海月(2年)は右足から逆足に持ち替えてクロスを送ると、左サイドハーフの豊倉博斗(3年)主将が勢いよく飛び込んで頭でとらえる。GK原蓮也(3年)のビッグセーブに阻まれるも、こぼれたところをFW佐藤遼(2年)が折り返す。ボランチのMF島野怜(2年)のシュートは、相手DFに当たってネットを揺らした。

 つづく後半18分にはストライカー顔負けの鮮烈なボレーが炸裂した。佐藤遼のシュートはDFにブロックされて島野の胸元に向かう。ゴールに背を向けた状態で胸トラップをしてボールの勢いをころすと、反転して右足を振り抜いた。

 ラストは後半23分。セットプレーの場面で、DF松井大翔(2年)のヘディングシュートがゴールに向かうも、ボールはクロスバーに跳ね返されてゴール前にこぼれる。ピッチの誰もがボールウォッチャーになっている中、ゴール前につめていたのは、黄色の背番号7だけだった。押し込むだけのシュートで「公式戦ではない」(島野)というハットトリックは完成した。

 中学年代は鹿島Jrユースでプレーしていた島野。「ユースに昇格できなかったので、高校サッカーを選びました」という中で、「育英の練習に参加して、先輩たちも楽しかったので入学しました」と越境した。

 昨年の選手権は、1年生ながら1回戦から準々決勝までの全4試合に先発フル出場を果たした。今年のチームとしての目標は仙台育英の最高成績でもある「ベスト4」、個人としては「1試合1得点」を掲げる。

 2020年11月にはU-16日本代表候補としてトレーニングキャンプに参加した。「判断やポジショニングが自分に足りないと思ったので、いい刺激になりました」。今月7日に17歳を迎える大型ボランチは、進化を続ける。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2020

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