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「日本一になって」「徳市の分まで戦う」。矢板中央・坂本主将は選手権初戦で地元徳島と対戦

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 矢板中央高 1-1(PK6-5) 徳島市立高 ニッパ球]

 2回戦から登場した昨年度4強・矢板中央高(栃木)が初戦を突破した。負傷明けのDF坂本龍汰主将は1-1に追いつかれた直後、後半25分から途中出場。キャプテンマークを巻いて一年ぶりに選手権のピッチに立ち、DFラインを引き締めた。

「難しい試合になるのは予想していた。矢板中央らしいサッカーで勝ち切れたのは収穫」。昨年度は右サイドバックのレギュラーとして4強入りに貢献し、主将としてチームを統率する坂本は10月末に鎖骨を骨折。県予選を欠場する憂き目に遭ったが、昨年12月13日に行われたプリンスリーグ関東の川崎F U-18戦でAチームの公式戦に復帰し、初戦は後半途中からの出場となった。

 中学時代までを地元・徳島県で過ごし、栃木県の強豪・矢板中央へと越境入学。全国初戦で徳島市立と対戦する巡り合わせとなり、DF前田俊(3年)やMF中田舜貴主将(3年)ら小学生時代から面識のある選手たちと選手権の舞台で再会した。

 立ち上がりから迫力のセットプレーで押し込んだ矢板中央は前半35分にDF小出勇翔(2年)のヘッドで先制に成功。しかし、後半は徳島市立に押し込まれ、後半24分に追いつかれる展開。「互角の戦い。前田俊がキーになっていて、サイドからのクロスの対応は難しかったし、勢いがあって止めにくかった」と振り返る激戦だったが、PK戦の末に競り勝った。

「地元徳島のみんなとこういう環境で戦えて、素晴らしいピッチで戦えたことに感謝しています。みんなが悔し涙を流していたので、その分も日本一を見据えて一戦一戦戦い抜いて、徳島のみんなのためにも勝ち抜いていきたい」(坂本)

 徳島市立も一年前、中田やFW石井嵩也(3年)、DF渡邉浩章(3年)、DF三倉頼真(3年)ら昨年度8強に貢献したメンバーが成長した姿で選手権に帰ってきたが、惜しくも初戦敗退。試合後、「徳市の分まで戦うよ」と伝えた坂本に対して、中田は「絶対に日本一になってね」とエールを送った。

 起死回生の同点ゴールを沈めた中田はコロナ禍で主将を務めたシーズンを振り返り、「この一年は大変だった。選手権が開催されるかどうかも不安な中で練習してきたので、勝てなかったですが、こうして試合ができて良かった」と思いを語った。



(取材・文 佐藤亜希子)
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