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[MOM3375]矢板中央GK藤井陽登(2年)_2日連続PK戦も止めた! 伝統の堅守にプライド

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GK藤井陽登(2年)がPKストップ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 高校選手権3回戦 矢板中央0-0(PK3-1)東福岡 等々力]

 2日連続のPK戦となったが、昨年度大会優秀選手の矢板中央高GK藤井陽登(2年)がまた止めた。前日は5人目まで逆を突かれたが、修正して6人目を止め、劇的勝利をもたらしたPKストッパー。この日は1人目からコースを読み切ると、2人目のキックには完璧なタイミングで合わせ、両手でストップした。

「昨日の6本目と同じように先に動かないことを意識した」。高い能力を持ち、PK戦にも定評のあるGK藤井がプレッシャーとなったか、コースを狙った続く3人目、4人目は枠を外し、PK3-1で強敵・東福岡高を打ち破った。

 2日の初戦徳島市立戦(1-1 PK6-5)は前半のうちに先制に成功したものの、後半押し返される展開。堅守の矢板中央にとっては課題の残る内容だった。試合後、チームはミーティングで引き締め、中0日で立て直した。ブロックを敷いてゴール前に壁を築き、シュート17本を浴びながらも東福岡の攻撃を跳ね返し続けた。

「相手は個のレベルが高いチームで、全員の気持ちを統一させて守備を徹底する気持ちだった」。窮地を救ったのは後半32分。ゴール前でMF岩井琢朗(3年)に決定的なシュートを打たれたが、至近距離で藤井が足に当ててピンチを凌ぐと、すぐさま起き上がってMF上田瑞季(3年)のシュートも防ぎ切り、苦しい局面を守り抜いた。

 激戦区のCブロックを勝ち上がり、4年連続のベスト8入り。「今日は失点をゼロに抑えられたので、PKになったら絶対に止めるという思いがあった。今日の戦い方は良かったと思う」。伝統の堅守を表現したチームの戦いぶりに誇りをにじませた。

 昨年度の準決勝・静岡学園戦の経験値を生かしてもぎ取った勝利だった。静学戦は自陣に釘付けにされる防戦一方の展開で、シュート23本を浴びながらも耐え続けたが、0-0のまま後半アディショナルタイムに入ったところでPKを献上。静学24本目のシュートをMF松村優太(鹿島)に決められ、ベスト4で敗退となった。

 「あの試合はコロナ期間、練習ができない時に映像を見返して、悔しさを忘れないようにという思いがあった。今年の選手権でぶつけたい」

 青森県十和田市出身の藤井は地元の十和田中から、木村大地GKコーチ(青森山田高出身)の誘いを受けて矢板中央に進学した。互いに勝ち上がれば、準決勝でGK韮澤廉(3年)を擁する青森県の絶対王者との対戦が実現する。頼れる矢板中央の守護神は、準々決勝・富山一高戦でも真価を証明するはずだ。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2020

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