[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 選手権3回戦 仙台育英高 0-3 市立船橋高 フクアリ]

「今年は絶対的なストライカーがいない」と言われてきた市立船橋高だが、この日はFW加藤想音(3年)がストライカーの仕事で勝利に貢献した。

　先制した直後の後半7分、前に強い仙台育英DFの逆手を取る形で抜け出した加藤へMF八木智哉(3年)のスルーパスが通る。GKと1対1となったFWが、右足で貴重な追加点を挙げた。
　
　また加藤は「シュート、キックのところと毎日練習してきた」成果を発揮。自身がゴールを決める直前の後半4分には、右CKでDF菅谷暁輝(3年)の先制ゴールをアシストしている。「市船の強み」セットプレーのキッカーとしても役割を果たして1ゴール1アシストの活躍。FWとして結果を残した。

　前半のプレーについては波多秀吾監督から「しっかりオマエのところで収まらないと」と指摘を受けていた。後半はボールロストが増えてしまっていた前半から改善。ゴールも決めたことについては指揮官も、「後半少しずつ落ち着いて点数を獲れたことは評価して良いと思います」と語っていた。
　
　攻守両面でのハードワークに加え、キック精度も高い。だが、これまで、傑出した結果を残せてきた訳ではない。プレミアリーグ関東は出場ゼロで、選手権予選は決勝で先発するも無得点。それでも今大会初戦、3回戦と先発した2試合でゴールの加藤は、「(現在は木内拓海=3年がチームトップの3ゴールだが)自分が一番点を獲っていきたい。石田(侑資)中心に守ってくれて失点は少ないので、(この後の試合も)自分が中心になって点を獲っていきたいと思っています」という目標を実行し、チームを勝たせ続ける。

(取材・文　吉田太郎)

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