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初の8強ならずも青森山田を苦しめた帝京大可児「泣いていたら自分たちを否定することになる」

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ドリブルで仕掛ける帝京大可児MF小宅空大(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 選手権3回戦 帝京大可児高 2-4 青森山田高 駒沢]

 17年度に並ぶ16強入りを果たし、初の準々決勝進出を目指した帝京大可児高(岐阜)だったが、青森山田(青森)の壁が立ちはだかった。

 前半7分にMF三品直哉(2年)のゴールで先制。王座奪還を狙う優勝候補を慌てさせたが、その後はロングスローから3点を失った。MF小宅空大主将(3年)は「早い時間で1点を取れて、自分たちが一番理想としている形になったけど、相手の高さ、セットプレーの強さにやられてしまった」と指摘。「ロングスローの対策も考えていたけど、それを上回る力を持っていた」と悔しさをにじませた。

 しかし、1-3となった直後に1点を返し、その後は青森山田を押し込む時間帯もあった。これには小宅も「後半、持ち直して、もう一回自分たちのサッカーをできたのかなと思う」と手応えを感じていた。

「マイボールの時間を増やすことがポイントになると予想して試合に入った」。そう話す仲井正剛監督はハーフタイムに「マイボールの時間を増やさないと勝機はないぞ。プレッシャーがあったとしてもボールをおさめてサッカーをするんだ。勇気を持って自分たちのサッカーをしよう」とゲキを飛ばしたのだという。

 最後はPKでダメ押しの4点目を取られたが、青森山田を相手に堂々と戦い抜いた。仲井監督は試合後、涙を流す選手たちを「帝京大可児のサッカーを見せられた」と称え、「泣いていると自分たちのやっていることを否定することになる。胸を張って帰ろう」とねぎらった。

 帝京大可児はこの日、先制点を決めた三品のほか、MF鈴木淳之介(2年、22年湘南加入内定)、DF糸魚川侃太郎(2年)、GK原幸大(2年)という2年生4人が先発していた。キャプテンの小宅は「後輩ではJ入りが内定している(鈴木)淳之介だったり、得点力のある三品だったり、しっかり背中を任せられる(糸魚川)侃太郎も試合に出ていた。来年は僕たちよりもっともっといいサッカーをして、全国優勝してほしい」とエールを送った。

(取材・文 西山紘平)

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