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前回日本一・静学を破った藤枝明誠の計り知れない重圧…「『優勝』という言葉を言わないといけない」

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4年ぶりに選手権を戦った藤枝明誠高

[1.3 全国高校選手権3回戦 藤枝明誠高1-1(PK6-7)山梨学院高 駒場]

 昨年度の大会で静岡学園が残した強烈な印象は、いまなお多くの人々の記憶に残っているようだ。そのディフェンディングチャンピオンを県予選準決勝で破って(○3-0)、静岡県の代表校となった藤枝明誠高(静岡)の松本安司監督は、「どこに行っても『優勝』という言葉を言わないといけない」、「まわりの圧力は感じる部分があった」と苦しみの胸のうちを明かした。

 “静学を倒したチーム”、“静岡県の連覇を担うチーム”という重圧。それに加えて、首都圏に移動してから、コロナ禍で外出の自由はなくなりホテルで過ごすことを余儀なくされた。そんな選手たちを思い「リラックスさせてあげられる部分はもう少しあったのかな」と指揮官は自答する。

 残念ながら藤枝明誠の選手権は、3回戦で終わりを迎えた。今年のチームを「わがままな選手の集団ではありましたが、1年かけてよくここまでまとまってきた」と振り返った。「いい選手がいるチームとやっても、自分たちが積み上げたものをしっかり出してくれた。よく成長したというのが率直な感想です」。松本監督は選手たちの人間性の成長に目を細めた。

 松本監督から「藤枝明誠なんだ」と自分たちらしくいることを諭されていたMF中山碧(3年)主将は、選手権を「楽しくサッカーができた」と振り返った。「自分たちはここで悔しい思いした。自分たち以上の結果を残してほしいです」。同校3回目の選手権を終え、後輩たちに未来を託した。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2020

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