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注目の1年生コンビ福田・大迫が涙の敗退…神村学園は2年連続で富山一の一発に沈む

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 高校選手権3回戦 神村学園0-1富山一 等々力]

 神村学園高(鹿児島)はリベンジを果たせず、2年連続で富山一高(富山)に0-1のスコアで敗れた。「絶対に借りを返す」とMF永吉飛翔主将(3年)が雪辱を誓った一戦だったが、昨年度2回戦で敗れた富山一の壁に再び跳ね返され、09年度大会以来となる8強入りを逃した。

 選手権デビューから3試合を戦った注目の1年生コンビ、U-17日本代表FW福田師王とU-16日本代表MF大迫塁は試合終了の笛が鳴ると、ピッチに泣き崩れた。

 福田は2回戦の近江高(滋賀)戦で大仕事を成し遂げ、滞空時間の長いヘディングから劇的な決勝ゴール。「また自分が点を決めて、3年生を笑顔にしたい」と中0日の連戦も最前線で体を張って起点となり、飛び道具のロングスローからFW寺田聡(3年)の豪快なオーバーヘッドを導くなど、再三のチャンスを演出。複数人にケアされ、GKやDFが飛び出してくる状況でも臆せず戦い、試合終盤まで跳躍力を生かして制空権を握った。

 1年生にして神村学園のエース番号「14」を背負う大迫は1回戦の前橋商戦で同点弾の起点になった。素早い状況判断で左足から技術高いパスやシュートを繰り出したが、大会中はプレーに絡めない時間帯も。この日、試合途中で大迫をシャドーから本職のボランチに下げた有村圭一郎監督は「相手のやり方を見てダブルボランチにした。もう一つ、大迫がまだこの大会で波に乗れていなくて、プレー自体が難しい状況があった。得意としているポジションにして様子を見たかった」と意図を明かした。

 初めての選手権を終えたルーキー2人に、「もちろん通用した部分もあるし、まだまだだった部分もある。16歳という年齢でまだ子供なので、心の成長とともに良くなっていく」と有村監督。下級生をサポートした永吉主将は「選手権の難しさを経験して分かったと思う。今回の悔しさを糧に1、2年生にはまた来年、再来年頑張ってほしい」と後輩たちに託した。



(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2020

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