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[MOM3378]山梨学院FW久保壮輝(3年)_2日前の悔し涙を糧に今大会初ゴールが4強決定弾

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山梨学院は前半7分にFW久保壮輝がヘディングで先制点を決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 選手権準々決勝 山梨学院高 1-0 昌平高 フクアリ]

 狙っていたセットプレーから値千金の決勝点を奪った。山梨学院高(山梨)は前半7分、左サイドからFW野田武瑠(3年)がFKを蹴り込み、ファーサイドのDF一瀬大寿(3年)が頭で折り返したボールをFW久保壮輝(3年)がヘディングで押し込んだ。

 今大会初ゴールの久保は「セットプレー練習であの形は練習していた。(一瀬が)折り返してくれるのを信じて、セカンドボールに素早く反応するために落ちてくるところを予測して入った」としてやったりの表情だった。

 1-1からPK戦の末、藤枝明誠(静岡)に競り勝った3回戦のあと、前半で途中交代した久保は悔し涙を流していたという。長谷川大監督は「『自分が点を取っていたらPK戦にまでなっていなかった』『みんな助けてくれてありがとう』ということだと思う。ああいうのを見ると、人としてひと回り成長したなと思う」と、その胸中を察する。

 2日前にそんな久保の姿を見ていた長谷川監督はこの日の試合前に久保を呼び出し、戦術的な指示を送る一方で、「お前だよ。お前が今日決めるんだよ」と言葉をかけた。「そうしたら本当に決めたので」。ゴールで応えた愛弟子のプレーに目を細めた。

「練習試合とかでは点を取るけど、公式戦では全然点が入らなくて、(監督から)『お前を信じているから次決めろ』と言われた。次は絶対にチームの勝利のために点を決めるぞと思っていた」。久保はそう言って胸を張った。

 1-0で折り返した後半は昌平の猛攻に耐える時間が続いた。足をつる選手が続出する中、「センターバックの4番の選手(DF唐木晃)にプレスをかけて、そこからハメにいってボールを取ろうというのがあった。自分はしっかり4番の選手にアプローチして(パスコースを)制限するところを頑張った」という久保も後半35分に交代。最後は初めて足をつったといい、「これがよくみんなが足をつっている痛さなんだなと思って、痛かったです」と苦笑いを浮かべた。

「DFラインを自分は信頼しているので、絶対ゼロに抑えてくれると思っていた」。1回戦の米子北戦、2回戦の鹿島学園戦に続く今大会3度目の1-0完封勝利。3回戦の藤枝明誠戦で喫した1失点のみという組織的な堅守を武器に準決勝進出を決めた。「次の試合も厳しい試合になると思うけど、チーム一丸となって、層の厚さを生かして頑張りたい」。初出場初優勝を飾った09年度以来、11年ぶりの4強。9日の準決勝では2年連続4強の帝京長岡(新潟)と対戦する。

●【特設】高校選手権2020

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