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昌平を封じた“魂の守備”…山梨学院・指揮官「1-0だけど、非常に良い試合」

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11年ぶりのベスト4進出を決めた山梨学院高(山梨)

[1.5 全国高校選手権準々決勝 山梨学院高1-0昌平高 フクアリ]

 優勝候補の猛攻をしのぎ切った。またもや、見せ付けた“魂の守備”。1点を守り抜いた山梨学院高(山梨)は、11年ぶりの準決勝進出を決めた。

 今大会、毎試合得点を奪ってはいるものの、すべてが最少得点。しかし、PK戦にもつれ込んだのは3回戦の藤枝明誠戦のみ。つまり、それ以外の試合では無失点に抑え、1-0で勝ち上がってきた。2回戦・鹿島学園戦では相手の猛攻のされされながらも、体を張った粘り強い守備でしのぎ切る。試合後には長谷川大監督が「魂を感じるような守備」と表現。そして、準々決勝・昌平戦でも“魂の守備”を披露した。

「非常にテクニカルなチームが対戦相手なので、相手の良さと自分たちの良さをどう組み合わせてサッカーをしていくのかを非常に分析して臨んだ」

 幸先よく前半7分にセットプレーの流れからFW久保壮輝(3年)が先制点を奪取した。優勝候補相手に奪った先制点。守備に重心を置いてもおかしくないと思われたが、昌平の攻撃に恐れることなく、「コンパクトな守備をしてボールを奪いにいく」。自陣にこもることなく、積極的なプレッシングで相手から自由を奪い、たとえボールを奪われても素早い攻守の切り替えから攻撃権を奪い返し続ける。

 アグレッシブな守備。その結果、昌平の前半のシュート数をゼロに抑え込んだ。しかし、スタミナが切れ始めた後半中盤以降は、自陣に押し込まれる時間帯が続く。だが、ここで踏ん張る。見せ付けたのが“魂の守備”だ。PA内に侵入されても、誰かが必ず監視下に置き、フリーでフィニッシュまで持ち込ませず。たとえシュートを打たれても体を投げ出してブロック。最後まで同点ゴールを許さずに逃げ切り、1-0の完封勝利を収めた。

「後半押し込まれる展開となったが、非常に粘り強いコレクティブな守備、魂を感じるような守備ができた。今大会、チームの強みとなってできているので、今日も最後は体を張って良く守ってくれた。1-0だけど、非常に良い試合ができたと思う」

 選手たちに賛辞を贈った指揮官は、「次に照準を合わせて頑張っていきたい」と次戦・帝京長岡戦(新潟)の分析を進めていく。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2020

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