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課題改善、成長し続ける青森山田。次のテーマは「継続」

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青森山田高は3回戦から守備の部分を改善。MF松木玖生がボールを奪う。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.5 選手権準々決勝 堀越高 0-4青森山田高 駒沢]

 今大会も成長を続けている。過去5大会で優勝2度、4強以上4度の青森山田高は毎年、選手権決勝まで聞く耳を持って貪欲学び続ける、成長し続けるというテーマ。3年生は卒業間近になるとどうしても聞く耳を持てなくなったり、学ぶ姿勢が失われてしまうことがあるという中、青森山田は自発的に選手たちがその姿勢を持ち続けている。そして、準々決勝でもまた学び、成長していることを示して快勝した。

 3回戦では守備の強度が不足し、2失点。試合後、CB藤原優大主将(3年、浦和内定)は「まだまだ出せていない。この舞台で出せていないのは今まで何をしてきたのか」と厳しい表情で指摘していた。

 だが、堀越高との準々決勝では、前半からハイプレスで相手のビルドアップを封鎖。MF安斎颯馬(3年)とFW名須川真光(2年)の前線2人を中心に相手にプレッシャーを掛け続け、MF宇野禅斗(2年)やMF松木玖生(2年)が高い位置での潰しによってボールを奪い取ることに成功していた。

 そして、サイド攻撃によってセットプレーを獲得。14分に左CKから左SBタビナス・ポール・ビスマルク(3年、岩手内定)が先制すると、その2分後には右SB内田陽介(3年)の左ロングスローをCB秋元琉星(3年)が合わせて突き放す。さらにFW名須川真光(2年)の2ゴールも加えて前半を4-0で終了。青森山田が強みとするハイプレスとセットプレーによって前半で試合の大勢を決した。

 藤原は「前半、2、3回戦の反省を活かして入りから怒涛のプレスを掛けれたことによって高い位置でのセットプレーを取れてそこから得意のセットプレーで得点できたのは勝因だったと思います。守備に関しては前半完璧にできたと思っています」と言い切る。反省点の改善が快勝につながった。

 一方で後半は立ち上がりのPK失敗などもあって、思うような40分間にはならなかった。黒田剛監督も「後半はまったりしてしまった」と指摘していたが、攻撃の迫力が弱まり、DFラインも下がってしまって中盤が間延びするなど反省点も。被シュートはわずか2本で完封したが、チャンスを得た5人の交代選手のアピールも弱かった。

 だが、黒田監督は「勝利しながら(後半の内容。サブ組のプレーなど)まだまだだなという印象を残しながらやれているので、パーフェクトであるよりも、締めながら次に行ける、改善要素を持って次に行けることを良しとしながらやっていかないといけないのかなと。ポジティブに捉えながらやっていきたい」と前向き。藤原も「後半は何となく40分が過ぎてしまってまだまだやれたなという感じがある。内容だけみると、まだまだ60点の内容。後半継続するということをもう一度次の試合のテーマに掲げて、本当に相手を80分間圧倒し続けて、自分たちのサッカーを続けることをもう少し意識してあと3日間あるので準備していきたいと思っています」とまた新たな課題を改善し、勝つことを誓っていた。選手権は最大でもあと2試合。準々決勝を4-0で制した青森山田だが、まだまだ成長を続けて頂点に立つ。 

(取材・文 吉田太郎)
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