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「挑戦者の気持ちで」青森山田戦へ…“激戦区”勝ち上がった矢板中央、4度目4強の壁に挑む

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矢板中央が2年連続ベスト4(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.5 高校選手権準々決勝 矢板中央2-0富山一 駒沢]

 矢板中央高(栃木)が2年連続のベスト4進出を決めた。2回戦で徳島市立高、3回戦で東福岡高、準々決勝で富山一高を撃破しての4強入り。「日本一」を目標に掲げるチームは強豪校ひしめく厳しいブロックに入ったが、まずは同校史上最高となる昨年度の成績に並んだ。

 球際のプレッシャーや高さで上回る、組織的な堅守は健在だ。チームを束ねる主将のDF坂本龍汰(3年)は「自分たちが目指している日本一にどんどん近付いている。次は思い入れも、静学に去年負けた悔しさもあるピッチ。あと2つ勝つために気を緩めず、日本一を獲りたい」と闘志を燃やした。

 昨年度の準決勝は圧倒的なテクニックを誇る攻撃サッカーで大会を制した静岡学園高と対戦し、矢板中央は攻め込まれながらも堅守で対抗した。23本のシュートを浴びながらも組織的な守備で耐え、90分間を無失点に抑えたが、90+4分に与えたPKで24本目を決められての敗退。「去年ベスト4で負けた悔しさを持っている。最後のキワの部分、気の緩みが去年の反省なので、自分が中心になってピッチ全体に声をかけていきたい」(坂本)と雪辱を目指す。

 この先は、新たな歴史を切り開く挑戦になる。矢板中央は09年、17年、19年度と過去3度、ベスト4の壁に跳ね返され、いずれも無得点で敗退している。同校史上4度目の準決勝、挑むのは青森山田高。18年度の準々決勝では1-2で敗れている優勝候補筆頭との対戦へ、高橋健二監督は「夏にも遠征に行ってやられている。挑戦者の気持ちで戦いたい」と力を込めた。

 コロナ禍で開催されている今大会は保護者ら学校関係者に限って観戦を認めていたが、大会中に1都3県に緊急事態宣言が発令され、準決勝以降は完全無観客が決定。3万人近い観衆が見守った昨年度準決勝の埼スタとは雰囲気が一変するが、坂本主将は「環境が変わっても自分たちがやってきたことを貫いて勝ちたい」と勝利に集中。新たな歴史の扉を開く大一番へ、「ベスト4の壁を超えられるように3日間で調整して、決勝へと気持ちを持っていけたら」と意気込んだ。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2020

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