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元Jリーガー指揮官も期待…甲南大の187cm長身DF井上が対人守備&逆足フィードで存在感「弱点のない選手に」

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甲南大DF井上聖也(3年=県立西宮高)

[1.6 #atarimaeniCUP1回戦 甲南大 2-0 日本文理大]

 187cmの長身を活かした対人守備と、左右の足から繰り出されるロングフィード——。甲南大DF井上聖也(3年=県立西宮高)が全国大会初戦でたしかな存在感を見せていた。

 それでも試合後の言葉は冷静だった。

「高さという部分では自分の強みなので、そこは多少なり発揮できたと思うけど、競り合いで相手に収められたりして全勝ではなかった。この先はレベルが上がっていくので、そういう場面はなくしていかないといけない」。

 守備面をそう振り返った背番号12は「ビルドアップをもう少し改善していって、自分のほうから攻撃の起点になれるようにしたい」と攻撃面の課題も指摘。右利きながら左足から何度も通していたロングフィードについても「精度にムラがあるのが弱み。何回蹴っても同じボールを蹴れるようにならないと上のステージでは活躍できない」と自己分析していた。

 そんな井上が目指すのは「完璧に近い」選手だ。「足は速くないけど速くなるトレーニングをしているし、弱点がない選手が魅力的だなと思う。いまはいろいろ弱点があるけど、なくしていけば監督としても使いやすいと思う。どの監督になっても使っていただける選手になることが目標」と先を見据えている。

 そうした目線の高さは昨季からチームを率いる柳川雅樹監督(33)の影響もある。柳川氏は“調子乗り世代”の一員として2007年のU-20W杯に出場し、Jリーグではヴィッセル神戸などで活躍した元センターバック。かつて師事したスチュワート・バクスター氏、松田浩氏から受け継いだゾーンディフェンスを土台とした戦術で、チームを全国舞台に導いてきた。

 高校時代まで全国大会を経験してこなかった井上にとって、柳川監督はプロの基準を伝えてくれる貴重な存在。戦術的な要素だけでなく「いろんなことを教わっているけど、一番は人間的な部分に触発されている」と内面的な要素にも刺激を受け、「監督が求めている選手が僕たちにも伝わってくるので、そこがやりがいであり、成長しやすい環境」と現状の幸せを感じているようだ。

 そうした教え子について柳川監督も「ボールも蹴れるし、背も高くてヘディングが強い。僕よりも運動能力、スピードがあるので、すごく期待している」と評価。「ゲームを通しての安定感や、ボールを運ぶところやキックの精度が上がればもう少し評価されると思う」とミッションも提示する。“完璧に近い選手”となって上のステージに立つため、ポテンシャル豊かなCBは頼れる指揮官のもとで成長を続けていく。

(取材・文 竹内達也)
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