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“全国大会モード”の福岡大がシュート2本で初戦突破! 大分内定FW井上が先制弾、乾監督「取るべき人が取ってくれた」

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初戦突破を果たした福岡大

[1.7 #atarimaeniCUP1回戦 中京大 0-1 福岡大]

 2020年度の大学サッカー日本一を決める『#atarimaeni CUP』は7日、1回戦2日目を行い、福岡大(九州1)が中京大(東海1)を1-0で破った。9日に行われる2回戦では日本大(関東5)と対戦する。

 福岡大は中盤中央を逆三角形に配置する5-3-2の守備的布陣。GK真木晃平(4年=大分U-18)がゴールマウスを守り、3バックは左からDF岡田大和(1年=米子北高)、DF大川智己(2年=九州国際大付高)、DF伊藤颯真(1年=洛北高)を構えた。ウイングバックは左にDF前野翔伍(4年=長崎総科大附高)、右にDF阿部海斗(3年=鳥栖U-18)。アンカーにはMF倉員宏人(3年=鳥栖U-18)を置き、インサイドハーフにMF永田一真(2年=岡山学芸館高)とMF田中純平(3年=長崎総科大附高)。2トップは共にプロ内定のFW井上健太(4年=立正大淞南高/大分内定)、FW梅木翼(4年=立正大淞南高/山口内定)が並んだ。

 一方の中京大は4-1-4-1のシステム。GK北畠新輝(4年=市立船橋高)を最後尾に置き、最終ラインは左からDF大嶋春樹(2年=神戸弘陵高)、DF岸田悠佑(3年=G大阪ユース)、DF水口湧斗(2年=履正社高)、DF川尻裕吏(2年=四日市中央工高)。MF加田淳哉(4年=興國高)がアンカーで2列目は左からMF藤光翔(3年=帝京大可児高)、MF小酒井新大(1年=草津東高)、MF加藤弘也(4年=中京大中京高)、MF山田晋平(3年=海星高)。1トップにはFW碓井聖生(1年=富山一高)が入った。

 試合は「風上でスタートしたので1点取らないといけないと思っていた」(乾真寛監督)という福岡大が先手を取った。前半12分、右サイドの高い位置で井上がボールを奪い、ペナルティエリアにカットインして左足シュート。これは相手に阻まれてこぼれ球となったが、田中が拾って梅木に渡すと、梅木は冷静な状況判断で再び井上にパス。すでにJリーグでも出場機会を得ている井上は落ち着いた足裏タッチで相手をかわし、最後は左足で確実に流し込んだ。

 立正大淞南高時代から7年間にわたって続いてきたホットラインでの先制点。乾監督も「攻撃は梅木と井上がJリーグに行く人なので、あなたたちで答えを出すんですよ、というところで頼っている」というコンビが最後の全国大会でさっそく結果を出した。「取るべき人が取ってくれた」と笑顔を見せた指揮官は「井上の守備のスイッチを入れるという役割が点につながってくれた」と守備の貢献を称えることも忘れなかった。

 その後は福岡大のペースといえる締まった展開となった。「受けに回って5人のディフェンスが下がりすぎた」(乾監督)という課題もあり、25分過ぎには碓井に決定機をつくられる場面も続いたが、岡田や大川のカバーリングで落ち着いて対応。奪ったボールを裏に蹴り出し、井上や永田が飛び出す形を何度も繰り出し、失点リスクを回避しながらゴールを狙った。

 後半も互いに決定機の少ない展開が継続。中京大は加田や大嶋のロングスローなどでゴールを狙い、184cmの長身FW天川力駆(4年=中京大中京高)も投入しながら迫力を強めていったが、福岡大も188cmのMF榊原琉太(1年=熊本商高)を起用しつつ対処。ラストプレーのMF森栄二志(4年=静岡学園高)のアウトサイドキックも大川が頭でクリアし、守り切った福岡大が初戦突破を果たした。

 公式記録のシュート数は2対4と劣勢の中での勝利。「少ないチャンスをモノにし、なんとか守り切った」という評価もできるスタートとなった。

 それでも「ボール支配率とかパス成功率でどっちが優勢かはどうでも良い」と乾監督。「前半のうちにもう1点取りたかったけど、トーナメントの1回戦から思いどおりに行くと良いことがない。課題もありながら勝ち進んでいくチーム」とこの日の内容を前向きに捉えつつ、「チャンスでひと刺しに行く感覚が研ぎ澄まされてくると全国大会モードだなという感じがする」と笑みを浮かべる。

 また1〜2年生で構成した守備陣には手応えを口にした。昨季はJリーグに進んだDF菅田真啓(→熊本)、DF饗庭瑞生(→秋田)が最終ラインを支えていたこともあり、「抜けた穴がなかなか埋まらなかった」と今季を振り返りつつも、「正直持ち堪えられるかは心配だったが、身体を張って粘り強く守備ができたので、うちにとって一番の収穫」と称えた。

 そんな福岡大の当面の目標は準優勝を果たした2012年度以来のベスト4。2回戦では日本大、準々決勝では明治大か東海大と、いよいよ関東の強豪が立ちはだかるが、「そこでやっちゃうのが福大」(乾監督)という勝負強さを表現していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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