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[MOM3386]青森山田MF安斎颯馬(3年)_得点王の「自信」を胸に準決勝でハットトリック

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笠井佳祐(関東一)、島野怜(仙台育英)に続いて今大会3人目のハットトリック

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.9 高校選手権準決勝 矢板中央0-5青森山田 埼玉]

 選手権準決勝という大舞台で、青森山田高(青森)の背番号7が躍動した。

 まずは前半16分、MF小原由敬(2年)の縦パスに抜け出したMF安斎颯馬(3年)は、矢板中央高(栃木)のDFが寄せてくる前に左足を鋭く振り抜く。大会屈指の守護神と呼び声高い、GK藤井陽登(2年)が反応しわずかにふれるも、シュートはサイドネットを揺らした。

 リードを2点に広げて入った後半立ち上がりには、DF内田陽介(3年)のロングスローの流れからMF仙石大弥(3年)がミドルシュートを放つ。矢板中央DFのブロックに合うも、安斎は目の間にこぼれたボールを右足で一閃。矢板中央守備陣のがんばりも及ばず、再びゴールを陥れる。

 そして後半29分、途中出場のMF藤森颯太(2年)が右サイドから仕掛けて中央へ。安斎はダイレクトで右足でとらえると、ハットトリックを完成させ、右手で指を3本突き上げた。

 選手権・埼玉スタジアムでのハットトリックは、尚志高(福島)のFW染野唯月(現鹿島)が青森山田戦で記録して以来2年ぶり。今大会でのゴール数を「4」に伸ばして、FW笠井佳祐(関東一)とFW大森涼(帝京大可児)に並んで得点ランキングトップに立った。

 4-1-4-1でMF松木玖生(2年)とともに2シャドーに入り、1トップのFW名須川真光(3年)を追い越す高いポジションもとっていた安斎。昨季も選手権のメンバーに入っていたが、ポジションはボランチだった。「ターニングポイントになった」と振り返るのが、今年のスーパープリンスリーグ東北だ。「去年とポジション代わって結果を出せなかったけど、プリンスリーグがあって点をとれて、自信を持てた」。順位決定戦までの全6試合でゴール、13得点で得点王にも輝いた。

 11日の決勝の相手は、山梨学院高(山梨)に決まった。同校には、安斎のFC東京U-15深川時代のチームメイト、GK熊倉匠(3年)、FW笹沼航紀(3年)、FW茂木秀人イファイン(2年)がいる。3年前、高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会で決勝まで勝ち進んだが、PK方式の末に鳥栖U-15に敗れ日本一を逃してしまった。今度は選手権の決勝でライバルとして相まみえる。準決勝第1試合でPKを2本ストップする活躍を見せ、主将を務める熊倉に対しては「山学を勝たせて決勝まで導いたと思っている」と称賛するも「熊(倉)から点を取りたい」と、盟友にライバル心を燃やしていた。

(取材・文 奥山典幸)
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