[MOM702]東海大GK佐藤史騎(1年)_昨年度青森山田の守護神が明治大を撃破するPKストッパーに
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.9 #atarimaeniCUP2回戦 明治大1-1(PK2-4)東海大]
大舞台の経験豊富な1年生が、大仕事をやってのけた。延長戦の後半も終了しようかとしていた時間帯、東海大はGK交代の準備を進める。GK宮崎浩太朗(3年=大宮ユース)に代えてGK佐藤史騎(しぶき、1年=青森山田高)をピッチに送り込んだ。すると間もなくして試合終了のホイッスルが吹かれる。決着はPK戦でつけられることになった。
そしてPK戦で佐藤は一人目でMF住永翔と対峙。シュートが枠外に外れたため、佐藤が青森山田高校先輩後輩対決に勝利すると、3人目のDF蓮川壮大(4年=FC東京U-18/FC東京内定)のPKは、左に飛んでなんとキャッチ。決められたPKも含めてコースは全部読み切る完璧なPKストッパーを務め、チームの期待に応えた。
「アタアリマエニカップの前からずっと『PK戦になったら行くぞ』と言われていました。神奈川県1部のチームが関東1部の1位をジャイアントキリング出来たのはすごく嬉しい。(住永は)青森山田の大先輩なので、勝負できるときはないと思っていました。でも何とか外れたという形でしたけど、勝てて良かったです」
PK戦ではゴールキーパーがヒーローになることが多い。そこで多くの場合、GKにPKストップについて聞くことになるのだが、ほとんどが「足もとや目を見て飛びます」といった何かしらの極意を答えてくれる。ただ佐藤にも同じ問いかけをすると、「勘なんですよね」と思わぬ答えが返ってきた。
だが強いて言えば、修正力だという。「(きょうの2本目で)一回右に飛んだら遅れた。そこで自分の中で修正して、(3本目を)止められた。試合の中で冷静に修正出来て、分析出来て、結果に結びつけたのかなと思います」。
またPKについては大学入学後、全体練習後に毎日のように練習を行うことで自信を深めてきたという。「思い切り飛ぶこと。正直、上に蹴られたら仕方がないと思っているけど、真ん中より下は止めたいと思っています」。シンプルな考え方が、勘という読みの鋭さに磨きをかけている。
佐藤は昨年度の青森山田高の正GKとして、プレミアリーグファイナルを制覇。高校年代の頂点に立つと、冬の高校サッカー選手権でも2冠を目指して決勝に進出した。ただ決勝では静岡学園高に大逆転負け。決勝点を奪われた場面は佐藤の判断ミスが絡んでのものだった。
そして奇しくもこの日、後輩たちが高校選手権で3年連続して決勝進出を決定させ、昨年のリベンジを果たすべく舞台に到達した。「自分たちの借りを返せるのは、その舞台に帰ってきた今の人たちしかいない。最後は勝って優勝を決めてほしい」。俺たちは進んだステージで頑張っている。明大を撃破する活躍をみせたヒーローは、後輩たちから届けられる吉報を心待ちにしている。
(取材・文 児玉幸洋)
●#atarimaeniCUP特集ページ
[1.9 #atarimaeniCUP2回戦 明治大1-1(PK2-4)東海大]
大舞台の経験豊富な1年生が、大仕事をやってのけた。延長戦の後半も終了しようかとしていた時間帯、東海大はGK交代の準備を進める。GK宮崎浩太朗(3年=大宮ユース)に代えてGK佐藤史騎(しぶき、1年=青森山田高)をピッチに送り込んだ。すると間もなくして試合終了のホイッスルが吹かれる。決着はPK戦でつけられることになった。
そしてPK戦で佐藤は一人目でMF住永翔と対峙。シュートが枠外に外れたため、佐藤が青森山田高校先輩後輩対決に勝利すると、3人目のDF蓮川壮大(4年=FC東京U-18/FC東京内定)のPKは、左に飛んでなんとキャッチ。決められたPKも含めてコースは全部読み切る完璧なPKストッパーを務め、チームの期待に応えた。
「アタアリマエニカップの前からずっと『PK戦になったら行くぞ』と言われていました。神奈川県1部のチームが関東1部の1位をジャイアントキリング出来たのはすごく嬉しい。(住永は)青森山田の大先輩なので、勝負できるときはないと思っていました。でも何とか外れたという形でしたけど、勝てて良かったです」
PK戦ではゴールキーパーがヒーローになることが多い。そこで多くの場合、GKにPKストップについて聞くことになるのだが、ほとんどが「足もとや目を見て飛びます」といった何かしらの極意を答えてくれる。ただ佐藤にも同じ問いかけをすると、「勘なんですよね」と思わぬ答えが返ってきた。
だが強いて言えば、修正力だという。「(きょうの2本目で)一回右に飛んだら遅れた。そこで自分の中で修正して、(3本目を)止められた。試合の中で冷静に修正出来て、分析出来て、結果に結びつけたのかなと思います」。
またPKについては大学入学後、全体練習後に毎日のように練習を行うことで自信を深めてきたという。「思い切り飛ぶこと。正直、上に蹴られたら仕方がないと思っているけど、真ん中より下は止めたいと思っています」。シンプルな考え方が、勘という読みの鋭さに磨きをかけている。
佐藤は昨年度の青森山田高の正GKとして、プレミアリーグファイナルを制覇。高校年代の頂点に立つと、冬の高校サッカー選手権でも2冠を目指して決勝に進出した。ただ決勝では静岡学園高に大逆転負け。決勝点を奪われた場面は佐藤の判断ミスが絡んでのものだった。
そして奇しくもこの日、後輩たちが高校選手権で3年連続して決勝進出を決定させ、昨年のリベンジを果たすべく舞台に到達した。「自分たちの借りを返せるのは、その舞台に帰ってきた今の人たちしかいない。最後は勝って優勝を決めてほしい」。俺たちは進んだステージで頑張っている。明大を撃破する活躍をみせたヒーローは、後輩たちから届けられる吉報を心待ちにしている。
(取材・文 児玉幸洋)
●#atarimaeniCUP特集ページ