beacon

「来年必ず戻ってきたい」優勝も悔し涙の山梨学院FW茂木秀人イファイン、一年後への誓い

このエントリーをはてなブックマークに追加

山梨学院FW茂木秀人イファイン(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権決勝 山梨学院高 2-2(PK4-2)青森山田高 埼玉]

 優勝決定の歓喜の中、抑えられなかったのは悔し涙だった。山梨学院高の2年生FW茂木秀人イファインは延長前半7分のチャンス逸を悔やんだ。右サイドを突破したMF浦田拓実(3年)から絶妙なラストパスをフリーで受けたが、トラップからシュートを打ち切る前に相手DFに阻まれた。

「優勝して喜びたい気持ちはあるんですが、2-2の状況で、自分が決めていれば延長戦で勝てた。優勝の喜びよりも悔しい思いが強いです」。前線からの守備、強さと巧さ、裏抜けといった持ち味は示したが、今大会は無得点。ストライカーとしての進化を誓い、「シュートの精度を高めて、貪欲にゴールを狙い続けていきたい」と決意をにじませた。

 今大会では茂木とFW笹沼航紀(3年)の同時投入策が注目を集めた。今年度、練習試合でゴールを生んできたFC東京U-15深川出身のホットライン。試合の流れを引き寄せ、ギアを上げるためにコンビで投入される。決勝戦は2-1と逆転されたあと、後半25分からの途中出場だった。

「笹沼選手のパスでこの一年間、Aチームでゴールを決められた。笹沼選手のパスさえあれば点を取れるシーンが多かったので感謝しています」と茂木。一方、不完全燃焼に終わった後輩へ、笹沼は「優勝したのに泣いて悔しがっていた分、来年やってくれると思う」とエールを送った。 

 決勝のピッチでは中学時代から対戦してきたMF松木玖生(2年)との共演もあった。刺激を受ける同学年の存在。「来年は負けないよ」と声を掛けられ、「自分もまた来年必ず決勝に戻ってきたい。『2人でお互い点を取って、良い勝負しようね』と言いました」――。決勝のピッチに立った経験、強度、今大会で得た“基準”を伝え、新チームを牽引する存在へ。悔しさを糧に得点力に磨きをかけ、一年後の選手権で主役の座を射止める意気込みだ。

(取材・文 佐藤亜希子)

(※山梨学院高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP