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選手権で有終ホットライン…山梨学院MF浦田拓実「どこに走っても野田がくれる」

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山梨学院高MF浦田拓実(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

 怪我で出遅れたシーズンだったが、山梨学院高(山梨)MF浦田拓実(3年)は3回戦・藤枝明誠戦(○1-1 PK6-7)で先制ゴールを奪うなど、大会制覇に貢献した。中学時代からの同僚FW野田武瑠(3年)とのホットラインが選手権の舞台でも開通し、「最高の形」から得点を挙げた。

「野田は目が合ったら、どこに走っても配球してくれる」。前半31分、高い位置でボールを奪った野田からラストパスを呼び込むと、タイミングをずらした技ありの右足シュートで守備網を破った。共にインテリオールFCから山梨学院に進んだ、野田→浦田のホットライン。相棒のアシストをゴールに結実させ、先発抜擢にも応える活躍ぶりだった。

 怪我に泣いたシーズンだった。19年12月末、プリンス参入戦後に左第5中足骨を骨折。当初は復帰まで2か月の見通しだったが、リハビリ中に腰椎を骨折し、計7か月に渡る長期離脱を余儀なくされた。昨年7月末に練習復帰すると、8月23日の「From Now On」JFAアカデミー福島U-18戦で実戦復帰。この試合でも野田とのコンビで互いに1ゴール1アシストの活躍を見せ、サッカーの楽しさを噛み締めた。

「中学時代からのホットラインは強くて、要求したら、走れば絶対に(パスが)出てくると信じている。選手権でも野田からという形で嬉しかった。アイツが前を向いたら常にボールをもらうことを意識しています」(浦田)

「浦田とは6年間やってきて、お互いに一番特徴を分かっている。選手権という大舞台で結果を残せたので、最高の思い出になりました」(野田)

 持ち味は一瞬のスピードと駆け引きを生かしたラインブレイク。高校では野田とFW笹沼航紀(3年)、名手2人が繰り出す絶品スルーパスへの裏抜けで輝きを放ってきた。卒業後はそれぞれが異なる大学に進むだけに、「信じて走れば出てくるのは強かった。野田、笹沼、みんなの力で抜けることが多かった」と感謝をにじませた。

(取材・文 佐藤亜希子)

(※山梨学院高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)
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