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優勝への起死回生弾!山梨学院10番FW野田武瑠「簡単な試合はひとつもなかった」

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山梨学院FW野田武瑠(3年)が起死回生の同点ゴール(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権決勝 山梨学院高 2-2(PK4-2)青森山田高 埼玉]

 起死回生の同点ゴールをマークしたのは山梨学院高の10番FW野田武瑠(3年)だった。「決勝は自分が点を取りたいと思っていた」。その決意どおり、ここぞの場面でエースが大会初得点をマークした。

 山梨学院は幸先良く先制に成功したが、後半18分に青森山田に逆転を許し、なおも攻め込まれる苦しい展開。FW笹沼航紀(3年)とFW茂木秀人イファイン(2年)の同時投入でギアを上げ、少ないチャンスを逃さなかった。後半33分、クイックリスタートから笹沼が狭いエリアに絶妙なスルーパスを通すと、走り込んだMF山口丈善(3年)が潰れ、こぼれ球に反応した野田が左足で蹴り込んだ。

「笹沼が持ったときは絶対にパスが出てくると信じていた。みんなで取ったゴールです」。通常は笹沼との交代でベンチに下がっている時間帯だったが、ボランチとして残され、長谷川大監督からのメッセージを感じ取っていた。「それだけ期待してくれているということなので、自分が点を取って勝たせたかった」。相手のチャンス逸にも救われ、110分の激闘、PK戦を制して日本一の栄冠にたどり着いた。

「簡単な試合はひとつもなかった。どこも強いチームで、本当に守備陣が頑張ってきてくれた。自分たちも得点は少なかったですが、毎試合ゴールを取って優勝することができた」

 鋭いドリブルと左右両足から繰り出されるキックを武器に全6試合に先発出場。前線で時間を作り、精度の高いラストパスで魅せた。「選手権の経験を生かしてもっと貪欲に、アシストやゴールでチームを勝たせられる存在になりたい」。大会優秀選手にも名を連ねた技巧派エースは関東大学リーグ1部の強豪・順天堂大で進化を遂げ、プロ入りの目標達成へと突き進む。

(取材・文 佐藤亜希子)

(※山梨学院高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)
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