beacon

仏代表指揮官デシャン「許しがたいラインを超えた」因縁あるベンゼマの代表復帰はないと公言

このエントリーをはてなブックマークに追加

フランス代表指揮官ディディエ・デシャン

 フランス代表指揮官ディディエ・デシャンが、レアル・マドリーのFWカリム・ベンゼマを今後も招集するつもりはないと公言した。

 デシャンはフランス『RTL』のインタビューでベンゼマの話題を振られると「忌まわしいことだ」と不快感をあらわにしている。

「時間が経過することで議論の対象ではなくなることもあるかもしれない。ただ、私はそれを忘れることができないね。それはベンゼマだけに限ったことではないが、やはり悪意のある行為、暴力的な言葉に対して私は明確な拒否反応を示している」

「彼は明らかに許しがたいラインを超えた。私の名前、私の家族に対しての悪意もあったからね。私は受け入れるつもりはない。それを今後も決して忘れることはないだろう」

 1987年生まれのベンゼマはリヨンの下部組織育ちで、2009年からレアル・マドリーに在籍。前線で幅広い役割ができる万能型FWとして確固たる地位を築いている。2007年からプレーしたフランス代表では81キャップで27ゴールをマークしたものの、2015年10月から代表に呼ばれていない。

 ベンゼマは2015年11月、同胞のマテュー・バルブエナに対して性行為を映した映像を利用して脅迫した容疑が発覚し、逮捕された。その後ベンゼマは2016年3月に代表復帰が可能な状態となったが、フランスサッカー連盟はベンゼマの素行を問題視して同選手をEURO2016に招集しないことを表明。デシャン監督も協会の方針に理解を示して同調した。この後ベンゼマは「人種差別主義者からの圧力に屈した」とデシャンを名指しで批判したこともあり、問題視されていた。

 それからフランスは2018年のロシア・ワールドカップでは2度目のW杯制覇を果たした。デシャンは選手と指揮官の両方で優勝カップを掲げた3人目の名将(マリオ・ザガロ、フランツ・ベッケンバウアー)となり、フランス代表では長期政権を築いている。

 すでに33歳となったベンゼマは、レアル・マドリーで12シーズンにわたって前線の柱を務めていることもあり、代表復帰を推す声も多い。だが代表指揮官デシャンにとって、ベンゼマとの亀裂はすでに修復不可能なレベルにあるようだ。

●ラ・リーガ2020-21特集
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP