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負傷、出停、体調不良で欠場者続出…“満身創痍”早稲田大は守備的戦術で奮闘も4強敗退「ゲームプランをやり切れなかった」

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[1.21 #atarimaeniCUP準決勝 早稲田大0-2法政大 味フィ西]

 負傷離脱、出場停止、体調不良——。満身創痍で準決勝に挑んだ早稲田大だったが、相手のクオリティーに圧倒される形で終わった。卒業後は都1部にサッカー部を持つ損保会社に就職するDF工藤泰平(4年=日大藤沢高)は「この2020シーズン、そして自分のサッカー人生が終わってしまったというところで非常に悔しい思いがある」と率直に語った。

 準決勝の相手は法政大。関東1部リーグの最終節でも対戦し、0-2での敗戦により優勝の可能性を断たれたライバルだった。

「法政さんの力強いサッカーを目の当たりにしていたので、われわれはその部分の良さを出させないようにしつつ、ゲームプランを遂行できるように臨んだ」(外池大亮監督)。狙いとする展開は明白。前半は最終ラインを低めに取って相手の攻撃を耐え抜き、勝負をかけるのは交代選手を投入する後半戦——。ある種、真っ向勝負では劣っていることも踏まえた現実的な選択だった。

 また、その決断の裏には苦しい戦力事情もあった。今大会中にはエースのFW加藤拓己(3年=山梨学院高/22年清水内定)が負傷でプレーを続けることができなくなり、中盤でリンクマンを担うMF田中雄大(3年=桐光学園高)も時間制限付きの起用。また準々決勝の累積警告によりMF鍬先祐弥(4年=東福岡高/長崎内定)を出場停止で欠くことも決まっていた。

 さらに準決勝直前には「数名体調がすぐれないメンバーがいたので、医師の判断も仰いで自宅療養中となった」(外池監督)という緊急事態も発生。主将でディフェンスリーダーのDF杉山耕二(4年=三菱養和SCユース)、推進力を武器とするアタッカーのMF西堂久俊(2年=市立船橋高)が準決勝のメンバーから外れ、大会序盤とは先発の顔ぶれが大きく変わっていた。

 それでも、チームはゲームプランと向き合い、一方的なハーフコートゲームの中でもこれまで3試合無失点の堅守を発揮した。

 GK山田晃士(4年=浦和ユース/群馬内定)と工藤を主体に選手たちがたえず声を掛け合い、MF山下雄大(2年=柏U-18)とDF山下雄大(2年=柏U-18)のダブルボランチも連係しながら中央を封鎖。このシステムではスペースを与えがちなサイドではDF阿部隼人(4年=横浜FMユース/群馬内定)、DF大西翔也(3年=浦和ユース)が不利な状況でも身体を張り続け、クロスを上げられても杉山の代役のDF監物拓歩(2年=清水ユース)が立ちはだかった。

 そうして迎えたハーフタイム、スコアは想定どおりの0-0だった。「チームとしては苦しいものがあったが、いまいるメンバーの中で、今日の試合に出られないメンバーのことを思い、全員で戦っていた」。とくに気迫を露わにしてピッチに立っていた工藤の言葉どおり、全員が献身的な姿勢を見せた45分間だった。

 しかし、後半はさらに攻撃姿勢を強めた法政大の独壇場となった。鍵となったのはDF関口正大(4年=新潟明訓高/甲府内定)の攻撃参加。プロ内定サイドバックの攻撃参加が後半6分の先取点をもたらしたが、これが「交代選手でギアを上げていくプランの前に崩されて失点してしまった」(工藤)と早稲田大に決定的な打撃を与えた。

 実際、早稲田大は後半22分からMF田部井悠(3年=前橋育英高)、MF杉田将宏(3年=名古屋U-18)、田中らを入れて反撃に出たが、主導権を取り戻すことはできなかった。そして34分、再び関口のゴールを許して万事休す。リーグ最終節と同じ0-2で敗れ、2012年以来の全国決勝進出の道筋は閉ざされた。

 外池監督は試合後のオンライン取材で「いま戦えるメンバーの中でどういう形を組むことで最大値を出せるか。交代選手も含めて、1試合を通じてのゲームプランを準備していたが、そこをやり切れなかった」と敗戦の弁。悲願の全国タイトル奪還は「今大会で全体の総力はとても上がった。今後にも期待ができる」(外池監督)という3年生以下に託される形となった。

(取材・文 竹内達也)
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