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大号泣の1年前、プロデビューを経て逞しく…札幌内定2mGK中野小次郎「チームを勝たせるGKに」

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[1.23 #atarimaeniCUP決勝 法政大0-1東海大 味フィ西]

 1点ビハインドの後半アディショナルタイム、法政大(関東7)は時間的にラストプレーとなるCKで、2mGK中野小次郎(4年=徳島ユース/札幌内定)をゴール前に上げた。左CKを蹴ったMF長谷川元希(4年=大宮ユース/甲府内定)はもちろん、中野を目がけてクロスを上げる。しかしボールがやや低かったこともあったが、中野のボレーは空振り。そのボールをクリアされた瞬間に試合終了のホイッスルが鳴った。

「同点に追いつければという思いでしたが、慌ててしまった。空振ってしまったことは力不足だと思います」

 一昨年12月16日の大学選手権準々決勝・桐蔭横浜大戦、中野は1点ビハインドの後半10分に味方との連携ミスからボールを奪われて、2失点目を献上。終盤に1点差に詰め寄ったが、そこで敗退が決まった。

「4年生を引退させてしまった」。試合後、中野は大きな体を折りたたむようにして地面に頭をこすりつけ、人目をはばかることなく号泣した。「クラスターからここまで来れたのは奇跡というのがあるけど、最後に優勝して終わりたかった。そして去年の先輩たちに今回は優勝したよと伝えたかった」。中野自身、二重の意味で悔しさがこみ上げた。

1年前、人目をはばからず号泣した

 中野は昨年9月に札幌でJ1リーグ戦デビュー。5試合連続でゴールマウスを守ると、5試合目の鹿島戦では初完封で勝利に貢献。表情からも逞しさが感じ取れるようになってきた。「勝たせるGKになれと監督にも言われていた。チームを勝たせるGKになれるように日々努力していきたい。そして応援してもらえる方に勇気と感動を与えられればなと思います」。身長2mの希少性は唯一無二。日本サッカー界の新たな希望となるべく、プロの舞台でそのポテンシャルを開花させる。

(取材・文 児玉幸洋)
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