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[MOM3389]仙台育英MF島野怜(2年)_代表候補初選出、選手権ハット、今年はプロへ。違い示した大型ボランチ

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仙台育英高のU-16日本代表候補MF島野怜

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.23 東北高校新人選手権1回戦 仙台育英高 3-0 秋田商高 Jヴィレッジ]

 本人も「楽しかったですね」と振り返る充実の70分間。U-16日本代表候補MF島野怜(2年)がひときわ目立つ動きで仙台育英高を勝利へ導いた。

 登録181cmの長身ボランチは「もう少し奪う回数だったりは増やしていきたい」と納得していなかったものの、相手の攻撃を跳ね返す部分で貢献。加えて、攻撃面でも違いを生み出していた。

 懐の深いボールキープ、前に出る推進力で相手のファーストディフェンスを幾度もいなし、スペースが無いような局面を個でこじ開けて味方のアタックする回数を増やす。1年時などは高さや守備面が印象的だったが、元々攻撃を得意とするプレーヤー。今冬の選手権初戦・宮崎日大高戦ではハットトリックを達成している。その島野はMF小林純太(2年)のサポートを受ける形で攻撃の中心に。2点目をアシストしたほか、ドリブル、パスの部分で思うがままに攻め続けていた。

 1年時からレギュラーとして選手権などの公式戦を経験。04年早生まれの島野は昨年、U-16日本代表候補にも初招集された。経験によって生み出された余裕。「(選手権で対戦した)市船さんとかもプレッシャーが速かったので、今日のプレッシャーだったら全然自分でも持てたので、経験を活かせたと思います」と微笑んだ。

 川崎Fや札幌の強化担当を歴任している城福敬監督は「落ち着いて回りを見えるようになって、あとは考えるようになった。自覚が出るようになった」と分析する。相手の激しいチャージ、ファウルなどに対して弱音を吐くことなく、チームの中心選手としての振る舞い。「少し痛いくらいで止めてはいけない。常に結果を意識してやらないといけない」という島野はメンタル面でも変化しているようだ。

 目標は高校から直接プロ入りすることだ。「まずはプロを目指して。練習参加とかできれば自分の選択肢も広がると思うし、足りない部分も見つかると思うので、第一はプロを目指してやっていきたい」。それを実現するためには結果が必要だと考えている。

「もっと結果の部分で他の選手と比べて圧倒的な結果を出さないといけないと思いますし、点を獲れるボランチは日本でも少ないと思うので結果にこだわっていって、ボランチの役目である守備とかでも貢献できたらと思っています」

 U-16日本代表候補合宿では得意とする攻撃面でも通用する部分が少なかったという。縦パス、またインターセプトの回数ももっと増やして行かなければならない。また城福監督は簡単にプレーすべきところ、メリハリをつけるべきところの判断を求める。より戦術面への対応力も必要になってくるだろう。目標はベルギー代表のMFケビン・デ・ブライネ。課題を改善した上で得点も、アシストも量産して“育英のデ・ブライネ”と呼ばれるような存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

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