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[MOM3392]青森山田DF多久島良紀(1年)_新ロングスロワー役も担う期待の1年生DFがヘッド2発

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青森山田高のU-16日本代表候補左SB多久島良紀は攻守両面で勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.25 東北高校新人選手権準決勝 尚志高 0-5 青森山田高 Jヴィレッジ]

 青森山田高の中心選手への階段を上り始めている。U-16日本代表候補の長身左SB多久島良紀(1年)は、対峙した尚志高の快足アタッカー、MF黒瀬舜(2年)封じのノルマを果たす一方でセットプレーから2得点。強豪対決での勝利に大きく貢献した。

「自分がやるべきことはクロスの対応とか、1対1で簡単に抜かれないこと」という意識で臨んだ守備面では前半、チーム全体がやや受けてしまう時間帯があった中でドリブル、抜け出し鋭い黒瀬にピンチも作られてしまった。だが昨年、CBとしてスーパープリンスリーグ東北で経験を重ねてきている多久島のSBでの守備は安定。チームメートと連係してボールを奪い取り、後半は黒瀬が交代するまで決定的な仕事をさせなかった。

 そして、この日はCKから2ゴール。後半開始9分間で決めた2発が試合の流れを大きく傾けた。1点目は「相手のマークが結構離れていたので早いタイミングで走って、入り込めば良い形で入るかなと」いう狙い通りのヘッド。2点目は逆に相手が密着マークをして来ていたが、上手く振り払って再び頭でゴールを破った。

 今大会前はヘディングがあまり上手くできていなかったというが、納得のヘッド。また、今大会はセットプレーで高さを発揮するだけでなく、ロングスロワーとしてもチームにプラスアルファをもたらしている。

 青森山田は敵陣高めの位置でスローインを得ると、左右関係なく多久島がスローインを担当。「ロングスローは中学の時からやっていたので、それで自分のロングスローで点に絡んだり、チームに貢献できるのであれば、どんどんやっていきたいと思っています」。前任の右SB内田陽介(3年)は選手権で複数のゴールを演出していたが、多久島も東北決勝でロングスローからCB三輪椋平(2年)の先制ヘッドをアシストするなど、早くも対戦相手の脅威になっている。

 また、大宮のジュニア、U15チームで培ってきた技術力は強み。それでも、「1回代表に選ばれて自分のレベルの低さを感じさせられて、このままじゃダメだと感じました」というDFは危機感を持って取り組んでいる。現在は左SBとしてプレッシャーの中でのプレー精度をより上げること、攻撃参加のタイミングを掴むことが目標だ。その上で、CBとして起用されてもチームに貢献する構え。小中とキャプテンを務めた大宮からメンタル面、フィジカル面を磨くために青森で挑戦中の多久島が、将来のためにも力を身に着けて今年、名門の中心選手へ成長する。

(取材・文 吉田太郎)

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