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[MOM3394]岡山学芸館MF山岡亮太(2年)_「何もできなかった」選手権予選決勝の悔しさ晴らす2発

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途中出場で2ゴール。逆転勝利に導いた岡山学芸館高MF山岡亮太

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.6 岡山県高校新人大会準決勝 岡山学芸館高 2-1 倉敷高]

 前日から腰の痛みが出ていたため、大事をとってベンチからのスタートとなったが、後半からの出場で勝利に導く2ゴール。岡山学芸館高のエースと主将を託されたMF山岡亮太(2年)がきっちり仕事を果たした。

 積極的に縦へのクサビを入れてきた倉敷高に苦しんだ前半は、「アップから緊張しているなと感じていたのが、そのまま試合に出た」。本来なら、出場を回避する予定ながらも巻き返しのために急きょから後半から出番を得た山岡は、「僕が入ってどうにかしようと思った。前半は運動量が足りないと思ったので、走ってリズムを取り戻そうと思った」が、投入直後の後半3分に先制点を許した。

 逆転を狙うべく中盤から最前線へとポジションを移した山岡に決定機が生まれたのは、タイムアップが迫った30分。右サイドを田中壱晟(2年)が抜け出すと、素早く「クロスを上げる時に目が合ったので来ると思った」とゴール前に飛び込み、スライディングで合わせた。

 35+3分には左サイドでボールを持つとカットインから、高原良明監督も「スーパーだった」と評する豪快なシュートを叩き込み、逆転に成功した。昨年もAチームの一員としてプレーしたが、選手権予選の決勝はベンチからスタート。「途中から出たけど、何もできなかった。3年連続で行くつもりだった選手権に行けなかったのも悔しかった」と振り返る山岡にとっては、悔しさを少しは晴らせる活躍になったはずだ。

 新チームになってからは、「一生懸命できる選手なので、周りからの信頼がある」(高原監督)との理由でキャプテンを託された。これまでは周りにきつい言葉を口にしてしまうことも多かったが、今はみんなが耳を傾けるような言葉遣い意識するようになった。また、チームを救えるプレーができるよう個人での打開力に磨きをかけているという。

 現状に満足せず常に成長を追い求めるのは、彼の強みだ。中学時代まではボールを持った時に輝く王様タイプのMFだったが、高校1年生の時に「先輩方に上手い選手が多かったので、他とは違う走りでチームを救おうと考えた」。入学当初は一切走れなかったが、「グラウンドと寮が近くたくさん自主練できるのが魅力で学芸館を選んだ」と話すほどの努力家で、練習後や試合後に走力トレーニングを繰り返し、今では走力が武器となった。決勝点を奪った十八番であるカットインからのシュートも、自主練によって身につけた物だ。

 今年はチームとしての県3冠を目指すと共に、個人としてはプロ入りを狙っている。そのためにはゴールやアシストといった目に見える結果を積み重ね、他との違いを見せる必要性があるのは理解している。まずは、決勝で勝利に導くゴールを奪い、歓喜を呼び込むつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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