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全国王者ではなく、挑戦者として再び頂点へ。新生・山梨学院が挑戦し続けて新人戦制覇:山梨

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新生・山梨学院高が新人戦制覇

[2.6 山梨県高校新人大会決勝 日本航空高 0-2 山梨学院高]

 選手権王者・山梨学院の新チームが、挑戦してまず1冠――。令和2年度山梨県下高校サッカー新人大会決勝が6日に行われ、山梨学院高日本航空高が激突。山梨学院が2-0で勝ち、3年ぶりの優勝を果たした。
 
 山梨学院の新たなチャレンジは、優勝という好結果で終わった。選手権優秀選手のMF谷口航大(2年)やMF石川隼大(2年)、FW茂木秀人イファイン(2年)ら首都圏で選手権を戦った登録メンバーは山梨へ戻った後、新型コロナウイルス予防対策で自主隔離。新人戦を戦うチームに合流したのは同準決勝後だった。

 一週間練習を重ね、怪我の石川を除く選手権組は決勝で先発することも可能だったが、長谷川大監督は「(選手権期間中)『次、出ていくのはオレだ』と歯を食いしばって練習していた選手たちのチャレンジの場として今回新人戦を考えた」という。選手権期間は山梨に残り、新人戦優勝へ向けて練習してきた1、2年生たちが決勝も先発。10番FW大島悠斗(2年)が「自分たちが一緒にやっていた仲間が全国の舞台で活躍しているのを見て、自分もやっぱり頑張らないといけないと思いました」と話すように、選手権の裏側で悔しい思いを持って努力してきた選手たちがリードをもたらす。

 前半は互角の展開だった。日本航空は昨年から先発のGK小川颯馬(2年)が準決勝で負った怪我によって不在だったものの、「前半はちょっとやろうとしていたことを、勇気を持って、特に右サイドでトライしていた」(仲田和正監督)。山梨学院MF崎山亮(2年)のラストパスから決定的なシュートまで持ち込まれ、前半34分には右SB柴田元(2年)とMF長島大翔(2年)に連続でシュートを打たれたが、日本航空はいずれもブロックし、攻撃面で自分たちの代の強みである技術力を表現していた。

 左右両足のプレースキックとロングスローも投じるMF小幡來豊(2年)、MF仲悠希(2年)という力のあるダブルボランチが中盤での繋ぎ、競り合いで健闘。推進力のある右MF糸房珠希(2年)やテクニカルな10番MF田口靖忠(2年)、左WB井上翔太(2年)の縦突破も利いていた。加えて、DF植松遼主将(2年)らDFラインの選手たちも相手のプレッシャーをいなすような形でビルドアップにチャレンジ。前半27分には小幡の右アーリークロスを仲が合わせ、30分には田口がターンからシュートへ持ち込んだ。

 だが、山梨学院は187cmの高さを発揮するCB小林士恩(2年)とゲーム主将のCB保坂好寿(2年)やGK吉久隆宏(2年)、攻守に勢いのあるMF吉本堅翔(1年)を中心に無失点を続ける。そして、攻撃面でもそれぞれの強みを出すために運動量を増やすなどチャレンジ。すると36分、大島と長島のコンビネーションによって右サイドから崩し、最後はラストパスのこぼれ球をFW戸巻友太(2年)が右足でねじ込んだ。

 ここでやや勢いの低下した日本航空に対し、山梨学院は畳み掛ける。後半には吉本や右SB柴田元(2年)や左SB小川玲(2年)が積極的に攻め上がって分厚い攻撃。10分にはボランチの位置から右サイドのスペースを突いたMF吉本堅翔(1年)の落としから、大島が技ありの左足ループシュートを決めて2-0とした。

 この後、山梨学院は谷口ら選手権メンバー5人を立て続けに投入。選手権優勝に繫がったハードワークの部分で日本航空との差を作り出す。抜群の突破力を示していたFW茂木秀人イファイン(2年)のシュートが枠を外れるなど追加点を奪うことはできなかったものの、相手をゴールに近づけることなく2-0で勝利した。

 山梨学院は、山梨県内外のチームからターゲットにされる一年だ。だが、長谷川監督は「僕らは相手に対してチャレンジしていくサッカーだと思うから、チャレンジされるスタイルじゃないと思います。どうやってボールを奪って、どうやって攻めて、どうやって奪い返して相手にとって怖い所を突いてというチャレンジするサッカーだから、(自分たちに対して)チャレンジするチームがいたら、それ以上にチャレンジしていけば良いだけなので、そういう気質や気概を求めていくのが今山梨学院に必要なことかなと思います」と語る。

 選手たちも迎え撃つというよりも、貪欲にチャレンジしていく考えだ。谷口は「日本一になったからと言っても(自分たちのサッカーには)関係ないので、常に自分たちが貪欲にチャレンジ精神を持ってやっていくのはもちろんだと思います」と力を込めた。

 GK熊倉匠やFW野田武瑠、CB一瀬大寿、そしてポルティモネンセU-23入りの発表されたMF広澤灯喜ら山梨学院の3年生にタレントがいたことは確か。だが、彼らが日本一を勝ち取った原動力は諦めない姿勢やハードワーク、切り替えの速さの部分だった。優勝チームに比べると、新チームはハードワークの部分も個々の強みを表現する部分もまだまだこれから。それでも「簡単には上手く行かないと思うんですけれども、(現状に満足すること無く)去年よりももっとレベルを上げて(選手権連覇へ)向かっていきたい」(小林)、「(先輩たちのように)常にチャレンジャー精神を持ち続けていかないと。全員で共有して、意識してやっていきたい」(イファイン)とチャレンジする姿勢を受け継ぐ新生・山梨学院は、目標達成へ向けて挑戦し続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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