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[MOM3397]帝京三MF小林凜太郎(2年)_危機感持って成長目指す10番

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帝京三高の10番MF小林凜太郎は周囲を上手く活用してチャンスメーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.6 山梨県高校新人大会3位決定戦 韮崎高 0-1 帝京三高]

 切り替えの速い守備とブロックを敷いた守備を使い分ける韮崎高を攻めあぐねた帝京三高だったが、その中で相手を苦しめていたのが10番MF小林凜太郎(2年=フォルトゥナSC U-15出身)だ。

 自分の武器について、まず「ロングスロー」と説明する小林だが、相手の逆を取る上手さが光るSHだ。加えて、「自分持った時に裏へのパスとか、タメを作れたり、パスで供給できるのは自分の中では自信になっています」。その特長を3位決定戦で発揮していた。

 本人は攻撃の起点になる回数が少なかったことを反省していたものの、チャンスの多くは小林が絡む形から生まれていた。クロスでのチャンスメークや味方の攻め上がりを活かすパス。またカットインからのシュート、コンビネーションからシュートを放つなど攻撃の中心になり、後半4分の決勝点のシーンも左サイドでSB安原太洋主将(2年)のオーバーラップを引き出したことで生まれた。

 一方でシュートまで持ち込みながらパワーを持って打ち切れなかったり、課題があったことも確か。本人は「一番は自分のレベルアップをしないと使われなくなっていくというのが怖いので、努力をしていかないといけない」と危機感を口にする。

 入学当初は左SBで1年生チームの足を引っ張ってしまうこともあり、同学年の中で絶対的な存在ではなかったという。それでも少しずつトップチームに招集される機会が増え、SHへポジションを上げ、強みのロングスローを活かして出場機会を増加。新チームになってから先発起用されるようになった。相良和弘監督も「伸び盛りです」と成長を認めている。

 ただし、自分に高い評価を与えることはない。「目標は学院を倒して全国に行くことですけれども、小さな目標として、まず帝三でレベル上げて試合に常に出れるような存在になることが自分の一番の目標ですね」。現状の力に満足すること無く、チームにとって欠かせない存在になっていくことが目標だ。

「まだ全然貢献とかチームの力になっていないので、もっと自分にボール集まったら何とかしてくれるとか、オレに入ったら何か生み出してくれるような選手になりたい。(自分は)地元なので、帝三で山梨出身の選手が活躍していると聞くと帝三に入ってくる山梨の選手も増えると思いますし、もっと貢献していきたいと思っています」

 山梨学院高が全国制覇したことで、今年は山梨の高校サッカーに注目が集まることを理解している。「なかなか全国的にも注目される代なので、倒せば有名になれるし、そこで競争して倒していかないといけない」と野心も口にした10番が、競争しながらチームのレベルを引き上げ、中心選手として打倒・山梨学院を実現する。

(取材・文 吉田太郎)

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