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先行くライバルたちに追いつき、追い越す。CB一瀬は先輩FWと対戦のデンチャレ含めて日本高校選抜でアピールへ

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日本高校選抜のCB一瀬大寿(山梨学院高)は川崎F U-18戦、大学生との戦いで自分の力をアピールする

 日本高校選抜合宿(埼玉)が、17日から一般非公開で行われる。第99回全国高校サッカー選手権の優秀選手によって構成された日本高校選抜は、合宿最終日の20日に「NEXT GENERATION MATCH」(埼玉)で川崎F U-18と対戦。その後、再集合して同3日開幕の「第35回デンソーカップチャレンジサッカー 熊谷大会」(通称:デンチャレ)に出場する予定となっている。

 デンチャレは大学生の地域選抜チームが日本一を争う大会だ。大学トッププレーヤーたちが参戦し、多数のスカウトが試合会場に訪れる。日本高校選抜に選出された山梨学院高CB一瀬大寿(3年=山梨学院大進学予定)はデンチャレ出場について、「最初、ビックリしたんですけれども、ワクワクする気持ちがありますね」と微笑む。

 その大会で、日本高校選抜は関東A選抜、関西選抜という強豪2チームと対戦。中でも関東Aには、DF宮本優太(流通経済大3年=流通経済大柏高/浦和内定)やDF角田涼太朗(筑波大3年=前橋育英高/横浜FM内定)といった日本高校選抜経験者に加え、一瀬にとって先輩に当たるFW加藤拓己(早稲田大3年=山梨学院高/清水内定)もメンバーリストに名を連ねている。

 大学屈指のストライカーである加藤と対峙する可能性のある一瀬は、「(加藤先輩と)やってみたいですね。ボロボロにやられないレベルで自分も挑戦できればなと思います。(デンチャレでは)自分の自信を持っているロングフィードや空中戦の競り合いは絶対に負けたくないなと、強気でやっていきたい」と力を込めた。3歳年上の注目選手たちに対抗するのは簡単なことではないが、全力でチャレンジしてスカウトたちの前で自分のポテンシャルを示す意気込みだ。

「自分の強みを出すことでスカウトの人たちの目に留まると思うので、しっかりと発揮できるように、今からの準備というのを大切にしていければ良いなと思います」。選手権準決勝でヘディングシュートを決めるなど攻守における空中戦の強さや対人の強さ、精度の高いロングフィードで山梨学院の日本一に大きく貢献した187cmCBは、日本高校選抜の活動をステップアップに繋げる考えだ。

 身近な存在が飛躍したことも彼の意識を高めている。山梨学院高のチームメートでともに山梨学院大へ進学する予定だったMF広澤灯喜(3年)が、選手権後にポルトガル1部・ポルティモネンセのU-23チームに加入。「選手権の期間、何も聞いていなくて、終わってから急に話が来たので、チャンスはどこに転がっているか分からないなと思いましたし、身近にそういう選手が出て刺激になりましたし、自分もそういう道に進みたいなと思いました」。プロを目指す自分もチャンスを逃さない。

 広澤や先を行く選手たちに追いつき、追い越すだけ。一瀬は「大会優秀選手に2人プロのCBがいて(青森山田DF藤原優大、市立船橋DF石田侑資)、高校選抜に来ていない。来ていたらその2人が出ていると思うんですけれども、身近にそういう選手がいて正直悔しい気持ちがあるし、刺激になっている。以前は(藤原や石田が)目標にできていなくて遠い存在だと思っていたんですけれども、近づいてきたと思うので、追いついて、追い越せるような選手になりたい」。日本高校選抜ではJリーガー不在を感じさせないプレーを見せるつもりだ。

 選手権の疲労や怪我、また優勝報告会など休養時間が十分でなかった影響もあり、1月の日本高校選抜選考合宿は足が重かったというが、その後山梨学院の下級生の練習に参加しながらコンディションを上げてきた。ともに山梨学院の堅守を支えたGK熊倉匠(3年)、CB板倉健太(3年)の3人で中心となって日本高校選抜の堅守を築く。

「選手権を通して堅守と言われてきて、高校選抜で失点して『そんなもんか』と思われるのも嫌ですし、最後まで『学院の守備は凄いな』と思われるように。連係もしっかりと取りながらやっていきたい」と誓った。選手権日本一の責任感も持って、川崎F U-18や大学生に立ち向かう。

(取材・文 吉田太郎)
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