beacon

現状に満足せずドリブル、オフの動き、ミドルも磨く1年生FW福田、「自分が決めて」日本高校選抜を勝たせる

このエントリーをはてなブックマークに追加

スーパールーキーFW福田師王(神村学園高1年)は自らのゴールで日本高校選抜を勝たせる(写真協力=高校サッカー年鑑)。

 17日、第99回全国高校サッカー選手権の優秀選手から構成された日本高校選抜が、「NEXT GENERATION MATCH」(20日、埼玉)へ向けて強化合宿をスタートした。初日のトレーニングには、同日夜の合流となったGK熊倉匠(山梨学院高3年)を除く22名が参加。蒲原晶昭監督(佐賀東高)から「みんなが持っている個性を最大限に出して欲しい」と声がけされた選手たちは、コンビネーションやクロスからのシュート練習や6対6など1時間30分汗を流した。

 30名の選考合宿を突破した選手たちにとって次の目標となるのが日本高校選抜での勝利。それぞれが、自分の力を最大限発揮してチームに貢献する意気込みだ。中でも注目の1年生ストライカー、FW福田師王(神村学園高)は、「(自分は)日本代表にも選ばれているので、このメンバーの中でも格の違いを見せていきたいです」とコメント。目標とする姿に近づくため、自分自身に大きなプレッシャーをかけていた。

 U-17日本代表でもある福田は、選手権予選で決勝まで4試合連続ゴール。驚異的なバネを活かしたヘッドなどでゴールを連発し、神村学園の選手権出場に大きく貢献した。全国大会でも初戦から打開力や空中戦の強さを見せつけ、2回戦(対近江高)では後半終了間際に決勝ゴール。スーパールーキーは選手権初ゴールを叩き出したが、無得点に終わった3回戦(対富山一高)でチームも敗退した。「できた部分もあるんですけれども、点数が3試合1得点なので足りなかった」と振り返る。

 1月の日本高校選抜選考合宿含めて課題となったのが、フィジカル面だった。肉体はすぐに変わらないが、意識して取り組んできた動きの質。「身体の強さだったりで負けるので、もっとオフの動きでもっとフリーの状態でボールを受けられるように。一番はオフの動きの改善をしました」と説明するように、この日は6対6で巧くボールを引き出すなど手応えのある内容となった。
 
 加えて、この半年ほどで変化させてきたことがある。それは自分の力でシュートチャンスを作り出し、決めることだ。「選手権前に結構ドリブル練習をしてきました」と福田。「(自分の強みである)ヘディングだったりフィジカル面だけでは限界があると思うので、隠れた技術を身に着けたい」という思いでドリブルを磨いてきた。

 選手権では凄みのある突破やDFの足先を抜けるドリブルも披露。福田は動き出しの回数やヘディングなど自分の強みを強化しつつ、さらに得点パターンを増やす考えだ。「武器が少ないので、あと高校サッカー2年あるので、一つ一つ増やしていきたいですね。去年はクロスからとか人の力を借りて点を獲ることが多かったんですけれども、今年は自分の力だけで点を獲れるように、ドリブルからのシュートや、どこからでも狙えるミドルシュートを磨きたいと思います」と力を込めた。

 選手権得点王のMF安斎颯馬(青森山田高3年)や決勝で同点ゴールを挙げたFW野田武瑠(山梨学院高3年)から刺激を受けている。「安斎選手は決めるべきところを決めてくれる選手ですし、野田選手はボールタッチが上手かったり、ドリブルだったり良いパスを出してくれるので刺激になっています」。選手権の試合を見て、また高校選抜でともにプレーして、自分よりも活躍している選手に負けない力を身につける必要性を実感。現状に満足している時間はない。

「高卒でプロに行って、すぐに試合に使われるような選手になっていきたいです」と2年後の理想像を語る福田は、現時点で日本高校選抜を勝たせる活躍を自分に課している。それができなければ、自分の思い描くストライカーに「たどり着かない」。20日の「NEXT GENERATION MATCH」で川崎F U-18と対戦し、翌日からは神村学園の一員として九州新人大会に臨む予定だが、ゴールを決め続ける意気込みだ。

「フロンターレ戦で自分が決めて、チームを勝たせて、見ている人が面白いというプレーをしたいと思いますし、九州大会は初日はいないんですけれども、2日目から出るんで、『やっぱりいた方が点が入るな』と言われたいので、九州大会でも格の違いを見せたいと思います」。進化を目指す大器がこの2月から、ゴールと白星を積み重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP