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魅せて、チャンスメークして、点も獲る選手へ。日本高校選抜MF青木がこだわって1ゴール

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3本目29分、日本高校選抜MF青木俊輔(東福岡高3年)が5点目のゴール(写真協力=高校サッカー年鑑)

[2.18練習試合 日本高校選抜 5-3 駒澤大]

 魅せて、チャンスを作って、点も獲る――。MF青木俊輔(東福岡高3年)が、日本高校選抜の5点目を奪い取った。

 3本目終了間際、自陣中央で前を向いた青木はDF2人の間を強引に突破。「ドリブルでゴールまで行ってやろうと思っていた」という青木は、さらにカバーしたDFをスピードで振り切る。ここでタッチが大きくなってしまったものの、味方が繋ぐ間にPAへ抜け出す動き。最後はMF小宅空大(帝京大可児高3年)のラストパスから右足で決め、笑顔を見せた。

「結果という部分にはこだわっているので、得点という部分で終われたのは良かったです」と青木。1本目と3本目に左SHとしてプレーしたこの日は、スピードあるドリブルから縦、そしてゴールへと向かい続けていた。

 “赤い彗星”こと東福岡では、左ウイングとして伝統のオープン攻撃の柱を担った。1年時に選手権予選決勝で決勝点を決め、その後年代別日本代表にも選出。そして3年目はエースとして名門を引っ張った。

 その3年間について「凄く楽しかったですし、仕掛けの部分というのは一番成長できたのかなと。元々右サイドでプレーしたんですけれども、左サイドもするようになって自分のできるポジションも増えましたし、色々なバリエーションも増えたのかなと思います」と振り返る。だが、最後の選手権は納得の行くプレーができず。両チーム最多のシュート5本を放った矢板中央高との3回戦も1点を奪えず、PK戦で敗れる結果となった。

 レフティーのウインガーは、得点を奪えなかったことを何よりも悔しがる。「(課題は)最後の部分の質。シュートを凄く打ったけれど点が獲れていないのはそこに問題があると思うし、大事なところで勝たせることができなかったので、そこは自分の責任かなと思いました。どちらかというと、サイドの選手はアシストという部分を求められていると思うんですけれども、僕はアシストだけじゃなくて点獲ってという部分を物凄く大事にしていたので、点は獲りたかったです」。エースとして悔しい敗戦。これから進路の法政大で自分が積み上げるべき部分もはっきりとしている。

 1月の日本高校選抜選考会の紅白戦で豪快なゴールを決め、この日も1ゴール。理想とする姿へのチャレンジは続いている。青木が好きな選手として名を挙げるのはFWロビーニョ、FWロナウジーニョ、FWネイマールというブラジルの名手たち。「見ていてワクワクするというか、何やるんだろうというプレーを僕も出せるようになりたい」。高校選抜でもトップクラスの突破力に加え、決定力を向上させること。そして魅せて、チャンスを作って、決めるの全てを表現できる選手になる。

 同世代でプロに行った選手も多数。プロに届かなかった悔しさは常に心の中にある。その中でメンバー入りを果たした日本高校選抜での活動は、今後へ向けたアピールチャンス。「こういうレベルの高いところで自分を出して、成長して、名を広めてプロに早く行きたいです」。20日の「NEXT GENERATION MATCH」、そして3月の「第35回デンソーカップチャレンジサッカー」でも自分の強みを出し切って日本高校選抜に勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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